日本の月の天候 ------------------ 対象期間:
2023年(令和5年)10月の特徴:
○気温は、北日本でかなり高く、沖縄・奄美で高かった
気温は、日本近海の海面水温が顕著に高かった影響や、寒気の影響が一時的だった北日本でかなり高く、暖かい空気に覆われやすかった沖縄・奄美で高かった。
○降水量は、西日本日本海側と沖縄・奄美でかなり少なく、西日本太平洋側で少なかった一方、北日本日本海側でかなり多く、東日本日本海側で多かった
降水量は、低気圧の影響を受けにくかった西日本日本海側と沖縄・奄美でかなり少なく、西日本太平洋側で少なかった。一方、一時的に低気圧や低気圧通過後の寒気の影響を受けやすかった北日本日本海側でかなり多く、東日本日本海側で多かった。
○日照時間は、全国的に多く、北・西日本日本海側と北・東・西日本太平洋側でかなり多かった
高気圧に覆われ晴れた日が多かったため、日照時間は全国的に多く、北・西日本日本海側と北・東・西日本太平洋側でかなり多かった。
概況

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図
天気は周期的に変化し、全国的に高気圧に覆われ晴れた所が多かったため、月間日照時間は全国的に多く、北・西日本日本海側と北・東・西日本太平洋側でかなり多かった。月降水量は低気圧の影響を受けにくかった西日本日本海側でかなり少なく、西日本太平洋側で少なかった。一方、北・東日本日本海側を中心に、一時的に低気圧や低気圧通過後の寒気の影響を受けやすかったため、月降水量は北日本日本海側でかなり多く、東日本日本海側で多かった。北・東日本を中心に6日は大荒れとなったほか、20日頃や27日から28日にかけて大雨となった所があった。また、8日から9日にかけてと15日には本州南岸を通過した低気圧の影響で東・西日本で大雨となった所があった。日本付近は、低気圧通過後に寒気が流れ込み、東・西日本を中心に気温が平年を下回った時期もあった。一方、全国的に日本近海の海面水温が顕著に高かった影響を受け、北日本では寒気の影響も一時的で月平均気温はかなり高かった。沖縄・奄美では、台風第14号や前線の影響で上旬に曇りや雨の日があったが、その後は晴れた日が多く、月降水量はかなり少なかった。また、上旬を中心に前線の南側になり、台風第14号周辺から流れ込む暖かい空気に覆われ気温は平年よりかなり高かったため、月平均気温は高かった。
平均気温:北日本でかなり高く、沖縄・奄美で高かった。東・西日本では平年並だった。
降 水 量:西日本日本海側と沖縄・奄美でかなり少なく、西日本太平洋側で少なかった。一方、北日本日本海側でかなり多く、東日本日本海側で多かった。北・東日本太平洋側では平年並だった。
日照時間:全国的に多く、特に北・西日本日本海側と北・東・西日本太平洋側でかなり多かった。
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2023年10月の地域平均気候表
※本文中の北・東・西日本の降水量・日照時間の特徴は、地域平均気候表における日本海側・太平洋側の階級に基づいて記述している。
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月平均気温平年偏差、月降水量平年比、月間日照時間平年比の分布図 | 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図 |
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天候経過
上旬
北日本では、一時的に低気圧や低気圧通過後の寒気の影響を受けやすかったため、旬降水量は北日本日本海側でかなり多かった。6日には発達した低気圧の影響で大荒れとなった所があった。東・西日本では天気は周期的に変わり、8日から9日にかけて本州南岸を通過した低気圧の影響で、大雨となった所もあった。沖縄・奄美は、台風第14号や前線の影響などで曇りや雨の日が多かった。北・東・西日本で長く続いていた気温のかなり高い状態は、偏西風の南下により解消したが、日本近海の海面水温が顕著に高い影響を受けやすかった北日本では、旬平均気温は高かった。また、旬を通して暖かい空気に覆われやすかった沖縄・奄美では、かなり高かった。
旬平均気温:沖縄・奄美でかなり高く、北日本では高かった。東・西日本では平年並だった。
旬降水量:北日本日本海側でかなり多く、東日本日本海側で多かった。一方、西日本日本海側で少なかった。北・東・西日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。
旬間日照時間:東・西日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美で少なかった。北日本日本海側、北・東日本太平洋側では平年並だった。
中旬
北日本では、旬の前半は移動性高気圧に覆われて晴れた所が多かったが、後半は北日本日本海側を中心に低気圧や上空の寒気の影響を受けやすかった。このため、旬降水量は北日本日本海側で多かった。20日頃は北日本を中心に低気圧の影響で大雨となった所があった。一方、旬間日照時間は北日本太平洋側でかなり多かった。東・西日本では移動性高気圧に覆われて晴れた所が多く、旬間日照時間は東日本日本海側と東日本太平洋側でかなり多かった。15日には本州南岸を通過した低気圧の影響で東日本太平洋側では大雨となった所があった。沖縄・奄美では、高気圧に覆われて晴れた日が多かった。気温は、北日本ではオホーツク海付近を進む低気圧に流れ込む暖かい空気に覆われた時期があったことや、寒気の影響が一時的だったため、旬平均気温は高かった。
旬平均気温:北日本で高かった。東・西日本と沖縄・奄美では平年並だった。
旬降水量:北・東日本日本海側で多かった。一方、西日本日本海側、西日本太平洋側と沖縄・奄美で少なかった。北・東日本太平洋側では平年並だった。
旬間日照時間:全国的に多く、東日本日本海側と北・東日本太平洋側でかなり多かった。
下旬
全国的に高気圧に覆われ、晴れた所が多くなり、旬間日照時間は全国的に多く、北・西日本日本海側と北・東・西日本太平洋側でかなり多かった。1961年の統計開始以降、10月下旬として、東日本太平洋側(平年比156%)、西日本日本海側(平年比157%)、西日本太平洋側(平年比162%)では1位の多照となった。旬降水量は東・西日本太平洋側でかなり少なく、北・西日本日本海側と北日本太平洋側、沖縄・奄美で少なかった。一方、一時的に低気圧や低気圧通過後の寒気の影響を受けやすかった東日本日本海側で多かった。北・東日本を中心に27日から28日にかけて大雨となった所があった。旬平均気温は、寒気の影響が一時的だった北日本で高かった。一方、寒気の影響を受けやすかった西日本で低くなった。東日本と沖縄・奄美では平年並だった。
旬平均気温:北日本で高かった。一方、西日本で低かった。東日本と沖縄・奄美では平年並だった。
旬降水量:東・西日本太平洋側でかなり少なく、北・西日本日本海側と北日本太平洋側、沖縄・奄美で少なかった。一方、東日本日本海側で多かった。
旬間日照時間:全国的に多く、北・西日本日本海側と北・東・西日本太平洋側でかなり多かった。
※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。
極東循環場の特徴
500hPa天気図:亜熱帯ジェット気流は平年より南の東・西日本付近を流れ、日本付近は気圧の谷となった。このため、東・西日本を中心に寒気の影響を受けた時期があった。また、南から湿った空気が入りにくく、下降流となりやすかったため、全国的に日照時間が多かった。寒帯前線ジェット気流は東シベリアからオホーツク海付近を流れ、低気圧がオホーツク海付近を進んだ。
海面気圧と外向き長波放射量平年偏差:海面気圧は、大陸の高気圧は弱く、寒気の影響は平年より弱かった。一方、オホーツク海で低気圧が明瞭となり、日本付近は負偏差となった。低気圧に向かって暖かい空気が流れ込んだ影響で、北日本では暖かい空気に覆われやすい時期があった。外向き長波放射量偏差は、東・西日本太平洋側やフィリピンの東、インド洋熱帯域の南東部では正偏差となり対流活動が不活発だった。インドシナ半島や南シナ海では負偏差となり対流活動が活発だった。
850hPa気温:500hPaの気圧の谷に伴う寒気の影響で日本付近は負偏差が広がったが、北日本では正偏差となり、暖かい空気に覆われやすかった。
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月平均500hPa高度・偏差分布図 | 月平均850hPa気温・偏差分布図 |
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月平均海面更正気圧・偏差分布図 | 月平均外向き長波放射量・偏差分布図 |
※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。
記録と台風
小樽* 札幌* 帯広 釧路 根室 (*はタイ記録)
山口* 松山 (*はタイ記録)
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