日本の月の天候 ------------------ 対象期間:
2023年(令和5年)2月の特徴:
○気温は東・西日本と沖縄・奄美で高かった
寒気の影響が弱かったため、気温は東・西日本と沖縄・奄美で高かった。
○東日本日本海側の降水量は少なく、日照時間は多かった
冬型の気圧配置となりにくかったため、東日本日本海側の降水量は少なく、日照時間は多かった。
○降雪量は西日本日本海側でかなり少なく、東日本日本海側で少なかった
冬型の気圧配置となりにくかったため、降雪量は西日本日本海側でかなり少なく、東日本日本海側で少なかった。
○沖縄・奄美の降水量は少なかった
湿った空気の影響を受けにくかったため、沖縄・奄美の降水量は少なかった。
概況

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図
北日本では冬型の気圧配置となる時期があり、北日本太平洋側の月間日照時間は多かったが、東・西日本と沖縄・奄美では高気圧と低気圧が交互に通過して天気は数日の周期で変化し、冬型の気圧配置となりにくかったため、東日本日本海側の月降水量は少なく、月間日照時間は多かった。また、月降雪量は西日本日本海側でかなり少なく、東日本日本海側で少なかった。沖縄・奄美では、月の後半を中心に湿った空気の影響を受けにくく、まとまった雨となりにくかったため、月降水量は少なかった。東・西日本と沖縄・奄美では月の前半を中心に寒気の影響が弱く、沖縄・奄美を中心に暖かい空気が流れ込みやすい時期もあったため、月平均気温は東・西日本と沖縄・奄美で高かった。
平均気温:東・西日本と沖縄・奄美で高かった。北日本は平年並だった。
降 水 量:東日本日本海側と沖縄・奄美で少なかった。北・西日本日本海側と北・東・西日本太平洋側では平年並だった。
日照時間:北日本太平洋側と東日本日本海側で多かった。北・西日本日本海側、東・西日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。
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2023年2月の地域平均気候表
※本文中の北・東・西日本の降水量・日照時間の特徴は、地域平均気候表における日本海側・太平洋側の階級に基づいて記述している。
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月平均気温平年偏差、月降水量平年比、月間日照時間平年比の分布図 | 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図 |
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天候経過
上旬
期間のはじめと終わりに北日本を中心に冬型の気圧配置となった日もあったが、高気圧と低気圧が交互に通過して天気は数日の周期で変化した。東・西日本日本海側では晴れた日もあった一方、北・東・西日本太平洋側では曇りや雨または雪の日があり、10日は南岸低気圧の影響で北・東日本太平洋側を中心に積雪となった所があった。沖縄・奄美では高気圧の縁となりやすく、前線の影響を受けた時期もあり、曇りや雨の日が多かった。旬平均気温は、東・西日本と沖縄・奄美では寒気の影響を受けにくかったため高く、沖縄・奄美では暖かい空気が流れ込んだ時期もあったためかなり高かった。一方、北日本では寒気の影響を受けて気温が平年を下回る日があった。
旬平均気温:沖縄・奄美でかなり高く、東・西日本で高かった。北日本では平年並だった。
旬降水量:北・東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。北・東・西日本日本海側では平年並だった。
旬間日照時間:北日本太平洋側と東・西日本日本海側で多かった。一方、東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で少なかった。北日本日本海側では平年並だった。
中旬
北・東・西日本では、高気圧と低気圧が交互に通過したが、期間の中頃は冬型の気圧配置が強まった日があった。太平洋側では晴れた日が多く、日本海側では曇りや雨または雪の日が多かったが、18日から19日にかけて東・西日本日本海側を中心に低気圧や前線の影響でまとまった雨が、19日から20日にかけて北海道地方を中心に低気圧の影響でまとまった雪が降った。このため、北日本太平洋側と東・西日本日本海側の旬降水量は多く、東・西日本日本海側の旬間日照時間は少なかった。沖縄・奄美では、移動性高気圧に覆われて晴れた日があったため、旬降水量は少なく、旬間日照時間は多かった。全国的に期間の中頃は寒気の影響で平年を下回った日があったが、期間のはじめと終わりは寒気の影響を受けにくく、暖かい空気が流れ込んだ日もあったため、東・西日本と沖縄・奄美の旬平均気温は高かった。
旬平均気温:東・西日本と沖縄・奄美で高かった。北日本では平年並だった。
旬降水量:北日本太平洋側と東・西日本日本海側で多かった。一方、沖縄・奄美で少なかった。北日本日本海側と東・西日本太平洋側では平年並だった。
旬間日照時間:沖縄・奄美で多かった。一方、東・西日本日本海側で少なかった。北日本日本海側と北・東・西日本太平洋側では平年並だった。
下旬
24日頃に本州南岸を前線が通過したほかには全国的に低気圧や前線の影響を受けにくく、高気圧に覆われすかったため、旬降水量は全国的に少なく、特に東・西日本日本海側と東日本太平洋側ではかなり少なかった。西日本日本海側の旬降水量平年比は22%で、1946年の統計開始以降、2月下旬として1位の少雨となった。 また、期間のはじめと終わりに冬型の気圧配置が強まった日もあったため、旬間日照時間は西日本太平洋側でかなり多かった。寒気の影響を受けやすい時期があったため、西日本の旬平均気温は低かった。
旬平均気温:西日本で低かった。北・東日本と沖縄・奄美では平年並だった。
旬降水量:東・西日本日本海側と東日本太平洋側でかなり少なく、北日本日本海側、北・西日本太平洋側、沖縄・奄美で少なかった。
旬間日照時間:西日本太平洋側でかなり多く、北・東日本太平洋側と東・西日本日本海側で多かった。北日本日本海側と沖縄・奄美では平年並だった。
※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。
極東循環場の特徴
500hPa天気図:日本付近の高度は平年より高く、亜熱帯ジェット気流は東シナ海付近で北に蛇行し、東・西日本から沖縄・奄美付近は暖かい空気に覆われやすかった。一方、東シベリア付近には分裂した極渦の一部があって、北日本では寒気の影響を受ける時期があった。
海面気圧と外向き長波放射量平年偏差:海面気圧は、日本付近からアリューシャンの南にかけて正偏差で日本付近は高気圧に覆われやすかったが、カムチャツカ半島付近で低気圧が発達して北日本では冬型の気圧配置となった時期があった。外向き長波放射量偏差は、太平洋赤道域の日付変更線付近に正偏差が見られ、対流活動が不活発だった。一方、インド洋熱帯域の東部からインドネシア付近やフィリピン付近では負偏差で、対流活動が活発だった。
850hPa気温:本州から沖縄・奄美は正偏差の一方、東シベリアを中心に北海道付近まで負偏差だった。
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月平均500hPa高度・偏差分布図 | 月平均850hPa気温・偏差分布図 |
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月平均海面更正気圧・偏差分布図 | 月平均外向き長波放射量・偏差分布図 |
※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。
記録と台風
豊岡 西表島
なし
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