日本の月の天候 ------------------ 対象期間:
2022年(令和4年)12月の特徴:
○気温は東・西日本で低かった
中旬以降、西日本を中心に強い寒気が南下した時期があったため、月平均気温は東・西日本で低かった。
○降水量は北・東日本日本海側と沖縄・奄美でかなり多く、降雪量は東日本日本海側でかなり多かった
北・東日本日本海側では強い冬型の気圧配置となる日が多く、月降水量はかなり多かった。月降雪量は東日本日本海側でかなり多かった。沖縄・奄美では上旬に前線や低気圧の影響を受け、月降水量はかなり多かった。
○日照時間は北日本日本海側と沖縄・奄美でかなり少なかった
北日本日本海側では強い冬型の気圧配置となる日が多く、月間日照時間はかなり少なかった。沖縄・奄美では気圧の谷や寒気の影響を受けやすく、月間日照時間はかなり少なかった。
概況

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図
オホーツク海や日本の東で低気圧が発達して、北・東日本日本海側を中心に強い冬型の気圧配置となる日が多かった。西日本日本海側は、上旬は高気圧に覆われやすかったが、中旬以降は強い冬型の気圧配置となる日があった。このため、東・西日本日本海側を中心に太平洋側の一部でも交通機関等に影響が出るような大雪となった所があり、高知の月最深積雪は14cmと、1912年の統計開始以降、通年で最も大きくなった。月降水量は北・東日本日本海側でかなり多く、月降雪量は東日本日本海側でかなり多く、月間日照時間は北日本日本海側でかなり少なかった。沖縄・奄美は上旬は前線や低気圧の影響、中旬以降は気圧の谷や寒気の影響を受けやすかった。沖縄・奄美の月降水量はかなり多く、月間日照時間はかなり少なかった。中旬以降、西日本を中心に強い寒気が南下して気温が大きく低下した時期があったため、月平均気温は東・西日本で低かった。
平均気温:東・西日本で低かった。北日本と沖縄・奄美では平年並だった。
降 水 量:北・東日本日本海側と沖縄・奄美でかなり多く、北日本太平洋側で多かった。一方、東・西日本太平洋側と西日本日本海側で少なかった。
日照時間:北日本日本海側と沖縄・奄美でかなり少なく、北日本太平洋側と東日本日本海側で少なかった。一方、東日本太平洋側で多かった。西日本日本海側と西日本太平洋側では平年並だった。
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2022年12月の地域平均気候表
※本文中の北・東・西日本の降水量・日照時間の特徴は、地域平均気候表における日本海側・太平洋側の階級に基づいて記述している。
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月平均気温平年偏差、月降水量平年比、月間日照時間平年比の分布図 | 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図 |
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天候経過
上旬
低気圧が短い周期で通過し、通過後は北日本を中心に冬型の気圧配置が強まり寒気が流れ込んだ。このため、北日本では気温が低く、北日本日本海側では大雪となった所があった。また、北・東日本日本海側では降水量が多く、北・東・西日本太平洋側では少なかった。西日本日本海側では、高気圧に覆われやすかったため、降水量がかなり少なかった。一方、沖縄・奄美は前線や低気圧の影響で、曇りや雨の日が多く、降水量がかなり多かった。
旬平均気温:全国的に平年並だった。
旬降水量:沖縄・奄美でかなり多かった。一方、西日本日本海側でかなり少なく、北・東日本日本海側と北・東・西日本太平洋側で少なかった。
旬間日照時間:北日本日本海側と沖縄・奄美で少ない一方、西日本日本海側で多かった。東日本日本海側と北・東・西日本太平洋側では平年並だった。
中旬
期間のはじめは高気圧に覆われて全国的に晴れた日もあったが、13日に低気圧と前線が日本海を通過した後は、冬型の気圧配置となる日が多かった。このため、北日本と東・西日本日本海側を中心に曇りや雪または雨の日が多く、西日本太平洋側を中心に晴れの日が多かった。また、旬の中頃からは強い寒気が流れ込んだため全国的に気温が平年を下回った。14日から16日にかけてと18日から20日にかけては冬型の気圧配置が強まり、北・東日本日本海側では山形県、福島県、新潟県を中心に記録的な降雪となった所もあった。また、九州を含め西日本の平野部でも雪が降った。このため、旬降雪量は東日本日本海側でかなり多く、北・西日本日本海側では多かった。沖縄・奄美では気圧の谷や寒気の影響で曇りや雨の日が多かった。
旬平均気温:北・西日本と沖縄・奄美で低かった。東日本では平年並だった。
旬降水量:北・東日本日本海側と沖縄・奄美で多かった。一方、西日本日本海側で少なかった。北・東・西日本太平洋側では平年並だった。
旬間日照時間:北・東・西日本日本海側、北日本太平洋側、沖縄・奄美で少ない一方、西日本太平洋側で多かった。東日本太平洋側では平年並だった。
下旬
22日から23日にかけて低気圧が日本海と本州南岸を進み、低気圧が北海道付近を通過した後は26日まで強い冬型の気圧配置となり、北海道などで暴風雪となった。また、山形県や石川県を中心に北日本から西日本の広い範囲で大雪となった。21日と27日以降は冬型の気圧配置が緩んだ。また、沖縄・奄美では高気圧の南縁にあたることが多く、寒気の影響を受けやすかった。このため、東日本日本海側では曇りや雪または雨の日が多く、沖縄・奄美では曇りの日が多かった。旬降水量は東日本日本海側でかなり多かった。23日の降雪の深さ日合計は高知で18cmと、1953年の統計開始以降、通年で最も大きくなり、徳島で11cmと、1953年の統計開始以降、12月として最も大きくなった。旬間日照時間は東日本日本海側と沖縄・奄美でかなり少なかった。強い寒気が西日本を中心に南下して気温が大きく低下した時期があったが、北日本は低気圧に向かって暖かい空気が流れ込んだことや寒気の中心から離れていたことから旬平均気温はかなり高かった。
旬平均気温:北日本でかなり高かった。一方、東・西日本と沖縄・奄美で低かった。
旬降水量:東日本日本海側でかなり多く、北日本日本海側と北・東日本太平洋側で多かった。西日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。
旬間日照時間:東日本日本海側と沖縄・奄美でかなり少なく、北日本太平洋側で少なかった。一方、東日本太平洋側で多かった。北・西日本日本海側と西日本太平洋側では平年並だった。
※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。
極東循環場の特徴
500hPa天気図:アラスカの南から北極を経て中央シベリア付近にかけては正偏差となっている。一方、東シベリアを中心に極渦が見られ、中国東北区付近は気圧の谷となっている。東アジアは広く負偏差で、日本の西から強い寒気が流れ込みやすかった。
海面気圧と外向き長波放射量平年偏差:海面気圧は、シベリア高気圧は南東でやや強く、アリューシャン低気圧は西でやや強く、日本付近は強い冬型の気圧配置となる日が多かった。外向き長波放射量偏差は、太平洋赤道域の西部から日付変更線付近にかけて正偏差が見られ、対流活動が不活発だった。一方、インド洋熱帯域の東部からフィリピン付近にかけては負偏差で、対流活動が活発だった。
850hPa気温:日本付近は全域で負偏差。特に、バイカル湖付近から日本海西部にかけては負偏差が強く、西日本を中心に強い寒気が南下した時期があった。
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月平均500hPa高度・偏差分布図 | 月平均850hPa気温・偏差分布図 |
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月平均海面更正気圧・偏差分布図 | 月平均外向き長波放射量・偏差分布図 |
※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。
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