日本の月の天候 ------------------ 対象期間:
2022年(令和4年)10月の特徴:
○気温は東日本で低く、全国的に気温の変動が大きかった
東日本では上旬の後半と中旬の終わり、下旬の中頃に強い寒気が流れ込んだため、月平均気温は低かった。また、全国的に気温の変動が大きかった。
○降水量は東・西日本日本海側と東・西日本太平洋側で少なかった一方、沖縄・奄美で多かった
東日本日本海側と東日本太平洋側ではまとまった雨がなかったため、西日本日本海側と西日本太平洋側では高気圧に覆われやすかったため、月降水量は少なかった。一方、沖縄・奄美では台風や熱帯低気圧、前線の影響で湿った空気が流れ込みやすかったため、月降水量は多かった。
○日照時間は西日本日本海側と西日本太平洋側で多かった一方、沖縄・奄美で少なかった
西日本日本海側と西日本太平洋側では高気圧に覆われやすかったため、月間日照時間は多かった。一方、沖縄・奄美では台風や熱帯低気圧、前線の影響で湿った空気が流れ込みやすかったため、月間日照時間は少なかった。
概況

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図
北・東・西日本では、上旬は低気圧や前線、湿った空気の影響を受けやすかったため、曇りや雨の日が多かった。中旬から下旬は、西日本を中心に高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かったため、西日本日本海側と西日本太平洋側の月間日照時間は多く、月降水量は少なかった。また、東日本日本海側と東日本太平洋側ではまとまった雨がなかったため、月降水量は少なかった。沖縄・奄美では、上旬は高気圧に覆われやすかったため、晴れた日が多かった。中旬から下旬のはじめにかけてと下旬の終わりは、台風や熱帯低気圧、前線の影響で湿った空気が流れ込みやすく、曇りや雨の日が多かったため、月間日照時間は少なく、月降水量は多かった。月平均気温は、上旬の後半と中旬の終わり、下旬の中頃に強い寒気が流れ込んだため、東日本で低かった。また、全国的に気温の変動が大きかった。
平均気温:東日本で低かった。北・西日本と沖縄・奄美では平年並だった。
降 水 量:東・西日本日本海側と東・西日本太平洋側で少なかった。一方、沖縄・奄美で多かった。北日本日本海側と北日本太平洋側では平年並だった。
日照時間:西日本日本海側と西日本太平洋側で多かった。一方、沖縄・奄美で少なかった。北・東日本日本海側と北・東日本太平洋側では平年並だった。
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2022年10月の地域平均気候表
※本文中の北・東・西日本の降水量・日照時間の特徴は、地域平均気候表における日本海側・太平洋側の階級に基づいて記述している。
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月平均気温平年偏差、月降水量平年比、月間日照時間平年比の分布図 | 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図 |
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天候経過
上旬
北・東・西日本では、旬のはじめは高気圧に覆われて晴れたが、旬の中頃からは低気圧や前線、湿った空気の影響で曇りや雨の日が多くなり、北・東日本日本海側を中心にまとまった雨となった日もあったため、北・東日本日本海側の旬降水量はかなり多く、東日本日本海側の旬間日照時間はかなり少なかった。沖縄・奄美では、高気圧に覆われて晴れた日が多かった。気温は、北・東・西日本では旬のはじめは暖かい空気に覆われて高温となったが、旬の中頃からはこの時期としては強い寒気が流れ込んだため低温となり、気温の変動が大きかった。沖縄・奄美では旬を通じて暖かい空気に覆われて平年を上回る日が多かった。
旬平均気温:西日本と沖縄・奄美で高かった。北・東日本では平年並だった。
旬降水量:北・東日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側で多かった。一方、沖縄・奄美で少なかった。西日本日本海側と東・西日本太平洋側では平年並だった。
旬間日照時間:東日本日本海側でかなり少なく、北・西日本日本海側と北・東・西日本太平洋側で少なかった。一方、沖縄・奄美で多かった。
中旬
移動性高気圧が西日本から北日本を通過することが多かった。北・東日本では低気圧の影響を受けにくく、西日本では高気圧に覆われて晴れた日が多かった。沖縄・奄美では台風第20号や熱帯低気圧、前線の影響で湿った空気が流れ込みやすく、曇りや雨の日が多かったため、旬間日照時間はかなり少なかった。気温は、旬のはじめと終わりは全国的に寒気の影響を受けたが、旬の中頃はサハリン付近を通過する低気圧に向かって暖かい空気が流れ込み、北日本を中心に平年を上回った。
旬平均気温:北日本で高かった。東・西日本と沖縄・奄美では平年並だった。
旬降水量:北・東日本日本海側と北・東日本太平洋側で少なかった。西日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。
旬間日照時間:沖縄・奄美でかなり少なかった。一方、西日本日本海側と西日本太平洋側で多かった。北・東日本日本海側と北・東日本太平洋側では平年並だった。
下旬
北・東・西日本では、旬の中頃は低気圧や前線の影響で曇りや雨となったが、高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、旬降水量は東日本日本海側と東・西日本太平洋側でかなり少なく、旬間日照時間は北・東・西日本日本海側と北・西日本太平洋側でかなり多かった。沖縄・奄美では、旬のはじめと終わりは湿った空気や前線の影響で曇りや雨となり、31日は先島諸島を中心に大雨となったが、旬の中頃は高気圧に覆われて晴れた日があった。気温は、旬のはじめは暖かい空気に覆われやすく全国的に平年を上回ったが、旬の中頃は強い寒気が流れ込んだため、東日本を中心に低温となり、東日本の旬平均気温はかなり低かった。
旬平均気温:東日本でかなり低かった。北・西日本と沖縄・奄美では平年並だった。
旬降水量:東日本日本海側と東・西日本太平洋側でかなり少なく、北・西日本日本海側と北日本太平洋側で少なかった。一方、沖縄・奄美で多かった。
旬間日照時間:北・東・西日本日本海側と北・西日本太平洋側でかなり多く、東日本太平洋側で多かった。沖縄・奄美では平年並だった。
※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。
極東循環場の特徴
500hPa天気図:日本付近は高度が高く、暖かい空気に覆われる時期があったが、寒帯前線ジェット気流の蛇行に伴い、日本付近に強い寒気の流れ込む時期があった。
海面気圧と外向き長波放射量平年偏差:海面気圧は、日本付近は広く正偏差で、西日本を中心に大陸から張り出した高気圧に覆われやすかった。一方、南シナ海は負偏差で、沖縄・奄美は台風や熱帯低気圧の影響を受ける時期があった。外向き長波放射量偏差は、太平洋赤道域の西部から日付変更線付近にかけては正偏差で、対流活動が不活発だった。一方、インド洋熱帯域の南東部からインドネシア付近にかけてと南シナ海から日付変更線付近にかけては負偏差で、対流活動が活発だった。
850hPa気温:ユーラシア大陸から日本の東にかけて負偏差だった。北日本から西日本にかけて負偏差で、東日本中心に寒気移流が強かった。
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月平均500hPa高度・偏差分布図 | 月平均850hPa気温・偏差分布図 |
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月平均海面更正気圧・偏差分布図 | 月平均外向き長波放射量・偏差分布図 |
※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。
記録と台風
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