日本の月の天候 ------------------ 対象期間:

令和4年10月14日作成

2022年(令和4年)9月の特徴:

○気温は北・東・西日本で高かった

北・東・西日本では、暖かい空気に覆われやすく、月平均気温は高かった。

○降水量は沖縄・奄美でかなり多かった

沖縄・奄美では、上・中旬に台風の影響を受けやすかったため、月降水量はかなり多かった。

○日照時間は北日本日本海側でかなり多かった

北日本日本海側では、高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、月間日照時間はかなり多かった。

概況

地域平均気温経過図

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図

 北日本では、高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、北日本日本海側の月間日照時間はかなり多かった。東・西日本では、上旬は前線や湿った空気、台風第11号の影響を受けやすく曇りや雨の日が多かった。中旬の終わりは台風第14号の影響で大雨や大荒れとなった所があり、下旬の前半は台風第15号の影響で東日本太平洋側を中心に記録的な大雨となった所があった。沖縄・奄美では、上・中旬に台風第11号、台風第12号、台風第14号の影響を受けて曇りや雨の日が多く、大雨や大荒れとなった所があったため、月降水量はかなり多かった。月平均気温は、暖かい空気に覆われやすかった北・東・西日本で高かった。

平均気温:北・東・西日本で高かった。沖縄・奄美では平年並だった。

降 水 量:沖縄・奄美でかなり多く、西日本日本海側と東・西日本太平洋側で多かった。一方、北日本日本海側と北日本太平洋側で少なかった。東日本日本海側では平年並だった。

日照時間:北日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側で多かった。一方、西日本日本海側と沖縄・奄美で少なかった。東日本日本海側と東・西日本太平洋側では平年並だった。

月TRS分布図 旬別RS経過図
月平均気温平年偏差、月降水量平年比、月間日照時間平年比の分布図 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図

天候経過


    上旬

     沿海州から千島付近で高気圧の勢力が強く、北海道は高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、北日本日本海側の旬間日照時間はかなり多かった。一方、東・西日本は前線や台風からの湿った空気の影響を受けやすかったため、曇りや雨の日が多かった。台風第11号は8月末から9月上旬前半にかけて沖縄付近で停滞し、大型で非常に強い勢力となって5日から6日にかけて東シナ海を北上した。このため、沖縄・奄美と九州地方、四国地方を中心に、大雨や大荒れとなった所があった。沖縄・奄美では台風の影響で旬降水量平年比は277%と、1946年の統計開始以降、9月上旬として1位の多雨となり、旬間日照時間はかなり少なかった。旬平均気温は、南から暖かい空気が流れ込みやすかった北・東・西日本で高くなった。特に4日から6日にかけては猛暑日を観測した所が多く、6日には金沢(石川県)で日最高気温38.5℃と、1882年の統計開始以降、通年で1位タイを記録した。

     旬平均気温:北・東・西日本で高かった。沖縄・奄美では平年並だった。

     旬降水量:沖縄・奄美でかなり多く、東・西日本日本海側と東・西日本太平洋側で多かった。一方、北日本日本海側と北日本太平洋側で少なかった。

     旬間日照時間:沖縄・奄美でかなり少なく、東・西日本日本海側と東・西日本太平洋側で少なかった。一方、北日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側で多かった。


    中旬

     北日本は、高気圧と低気圧が交互に通過して、天気は数日の周期で変化した。東日本は、旬の中頃まで高気圧に覆われやすく晴れた所が多かった。西日本は、旬の後半を中心に台風や湿った空気の影響を受けやすく、旬降水量が多かった。沖縄・奄美は、旬のはじめに台風第12号、旬の終わりに台風第14号が接近したため、旬降水量はかなり多かった。台風第14号は18日に鹿児島県に上陸し、台風を要因とする特別警報が発表された。また、19日から20日にかけて山陰から東北地方を通過したため、西日本から東北地方にかけて大雨や大荒れとなった所があった。暖かい空気に覆われやすかったため、旬平均気温は、北・東・西日本でかなり高く、西日本の旬平均気温平年差は+2.5℃と、1946年の統計開始以降、9月中旬として1位の高温を記録した。12日から15日にかけて九州地方を中心に、18日から19日にかけて北陸地方を中心に、フェーン現象の影響もあったため、猛暑日を観測した所があった。

     旬平均気温:北・東・西日本でかなり高かった。沖縄・奄美では平年並だった。

     旬降水量:沖縄・奄美でかなり多く、西日本日本海側と西日本太平洋側で多かった。北・東日本日本海側と北・東日本太平洋側では平年並だった。

     旬間日照時間:北・東日本日本海側と東日本太平洋側で多かった。一方、沖縄・奄美で少なかった。西日本日本海側と北・西日本太平洋側では平年並だった。


    下旬

     北日本では、24日に前線が通過した影響でまとまった雨となったほかは、高気圧に覆われて晴れた日が多かった。東・西日本では、天気は数日の周期で変化したが、太平洋側を中心に高気圧に覆われて晴れた日が多かった。23日から24日にかけては東海道沖を北東進した台風第15号の影響で東日本太平洋側を中心に大雨となり、記録的な大雨となった所もあった。沖縄・奄美では、高気圧に覆われて晴れた日が多かった。旬平均気温は、旬の中頃以降、全国的に暖かい空気に覆われやすく、晴れて気温が上昇した日もあったため、高かった。

     旬平均気温:全国で高かった。

     旬降水量:北・東・西日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美で少なかった。一方、東日本太平洋側で多かった。北日本太平洋側では平年並だった。

     旬間日照時間:北日本日本海側、北・東・西日本太平洋側、沖縄・奄美で多かった。東・西日本日本海側では平年並だった。

    ※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。

極東循環場の特徴

      500hPa天気図:亜熱帯ジェット気流は中国東岸付近で南に蛇行した一方、本州付近から日本の東にかけては平年より北を流れた。このため、北・東・西日本では暖かい空気に覆われやすかった。また、北日本付近は正偏差で、高気圧に覆われやすかった。一方、沖縄付近から日付変更線付近にかけて東西帯状に負偏差で、この領域で台風が発生しやすかったことと対応している。

      海面気圧と外向き長波放射量平年偏差:海面気圧は、日本の東から北日本にかけて正偏差で、北日本は高気圧に覆われやすかった。一方、沖縄・奄美から日本の南にかけて負偏差で、台風の影響を受けやすかった。外向き長波放射量偏差は、太平洋赤道域の西部から日付変更線付近にかけては正偏差で、対流活動が不活発だった。一方、インド洋熱帯域の南東部からインドネシア付近にかけてと沖縄付近から日付変更線付近にかけて東西帯状に負偏差で、対流活動が活発だった。

      850hPa気温:ユーラシア大陸から日本の東にかけての中緯度帯は正偏差が明瞭だった。本州付近も正偏差で、暖かい空気に覆われやすかった。

月平均500hPa高度・偏差分布図 月平均850hPa気温・偏差分布図
月平均500hPa高度・偏差分布図 月平均850hPa気温・偏差分布図
月平均海面更正気圧・偏差分布図 月平均外向き長波放射量(OLR)偏差分布図
月平均海面更正気圧・偏差分布図 月平均外向き長波放射量・偏差分布図

    ※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。

記録と台風

  • 月平均気温の高い記録
  • 潮岬*(*はタイ記録)

  • 月間日照時間の多い記録
  • 旭川

  • 台風の発生(速報値、日本時間)
  • 第12号(8日) 第13号(12日) 第14号(14日) 第15号(23日) 第16号(23日) 第17号(26日) 第18号(28日)

  • 台風の接近(速報値)
  • 第11号(沖縄地方、九州北部地方、中国地方) 第12号(沖縄地方) 第14号(沖縄地方、奄美地方、九州南部、九州北部地方、四国地方、中国地方、近畿地方、東海地方、関東甲信地方、北陸地方、東北地方) 第15号(四国地方、近畿地方、東海地方、伊豆諸島、小笠原諸島、関東甲信地方、北陸地方) 第17号(伊豆諸島、小笠原諸島) 第18号(沖縄地方)

  • 台風の上陸(速報値、日本時間)
  • 第14号(鹿児島県鹿児島市付近18日、福岡県柳川市付近19日=再上陸、島根県出雲市付近19日=再上陸、新潟県新潟市付近20日=再上陸)

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