日本の月の天候 ------------------ 対象期間:

令和4年5月16日作成

2022年(令和4年)4月の特徴:

○全国的に気温は高く、特に北・東日本でかなり高かった

期間の前半を中心に高気圧に覆われて晴れたことや、暖かい空気が流れ込んだ時期があったため、全国的に気温は高く、特に北・東日本ではかなり高かった。

○東日本太平洋側の降水量はかなり多かった。一方、北日本太平洋側と沖縄・奄美の降水量はかなり少なかった

期間の後半を中心に、前線や低気圧が本州南岸付近をたびたび通過したため、東日本太平洋側の降水量はかなり多く、西日本の降水量は多かった。一方、高気圧に覆われる日が多かったため、北日本太平洋側の降水量はかなり少なく、北日本日本海側の降水量は少なかった。また、沖縄・奄美では気圧の谷や湿った空気の影響を受けにくく降水量はかなり少なかった。

○北日本の日照時間はかなり多かった

高気圧に覆われる日が多かったため、北日本の日照時間はかなり多く、東・西日本日本海側で多かった。沖縄・奄美では気圧の谷や湿った空気の影響を受けにくく日照時間は多かった。

概況

地域平均気温経過図

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図

気温は、期間の前半を中心に全国的に高気圧に覆われて晴れた日が多かったことや、南から暖かい空気が流れ込んだため、上旬後半から中旬前半にかけてと下旬は平年を上回る日が多くなり、東北地方を含め各地で真夏日となった所があった。期間のはじめと中旬の後半、下旬の終わりは寒気の影響を受けた日があったが、月平均気温は全国的に高く、特に北・東日本ではかなり高かった。前線や低気圧が期間の後半を中心に本州南岸付近をたびたび通過した影響で、東日本太平洋側や西日本ではまとまった降水となった所があり、月降水量は東日本太平洋側でかなり多く、西日本で多かった。一方、北日本と東・西日本日本海側では高気圧に覆われた日が多かったため、月間日照時間は北日本でかなり多くなり、月降水量は北日本太平洋側でかなり少なく、北日本日本海側で少なかった。沖縄・奄美では気圧の谷や湿った空気の影響を受けにくく、月降水量はかなり少なく、月間日照時間は多かった。

平均気温:北・東日本でかなり高く、西日本と沖縄・奄美で高かった。

降 水 量:東日本太平洋側でかなり多く、西日本で多かった。一方、北日本太平洋側と沖縄・奄美でかなり少なく、北日本日本海側で少なかった。東日本日本海側で平年並だった。

日照時間:北日本でかなり多く、東・西日本日本海側と沖縄・奄美で多かった。東・西日本太平洋側で平年並だった。

月TRS分布図 旬別RS経過図
月平均気温平年偏差、月降水量平年比、月間日照時間平年比の分布図 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図

天候経過


    上旬

     全国的に高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かったが、期間のはじめは気圧の谷の影響で東日本太平洋側を中心に雨の降った日があった。旬降水量は、東日本太平洋側を除いて少なく、高気圧に覆われた西日本と東日本日本海側でかなり少なかった。旬間日照時間は全国的に多く、平年比は北日本日本海側140%、北日本太平洋側138%、東日本日本海側158%、西日本日本海側177%、西日本太平洋側160%となり、それぞれ1961年の統計開始以来、4月上旬として1位の多照となった。期間のはじめは東・西日本と沖縄・奄美では寒気の影響で気温が平年を下回った時期があったが、北日本は暖かい空気に覆われやすかった。期間の中頃からは晴れて気温が上がりやすく、また南から暖かい空気が流れ込んだため、全国的に気温が高くなり、9日と10日は東北地方以南で夏日となった地点が多かった。

     旬平均気温:北・東日本で高かった。西日本と沖縄・奄美で平年並だった。

     旬降水量:西日本と東日本日本海側でかなり少なく、北日本と沖縄・奄美で少なかった。一方、東日本太平洋側で多かった。

     旬間日照時間:北・西日本と東日本日本海側でかなり多く、東日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。


    中旬

     期間のはじめは、高気圧に覆われ、晴れて気温が上がり、また暖かい空気が流れ込んだため、全国的に気温が高くなり、東北地方や東海地方、近畿地方などでは真夏日となった地点もあった。期間の中頃は、前線や気圧の谷の影響で本州では雨となった所が多く、寒気が流れ込んだため気温が平年を下回った日が多かった。期間の終わりは、高気圧に覆われて晴れた所が多かった。15日頃は、台風第1号が小笠原諸島に接近して大荒れとなった。沖縄・奄美では気圧の谷や湿った空気の影響を受けにくかったため旬降水量がかなり少なかった。

     旬平均気温:北・東・西日本で高かった。沖縄・奄美で平年並だった。

     旬降水量:沖縄・奄美でかなり少なく、北日本で少なかった。東・西日本で平年並だった。

     旬間日照時間:北日本と東日本日本海側で多かった。東日本太平洋側、西日本、沖縄・奄美で平年並だった。


    下旬

     低気圧や前線が本州南岸付近と日本の北をたびたび通過し、26日には前線を伴った低気圧が日本海を東進したため、天気は短い周期で変わった。本州付近は低気圧や前線の影響を受けやすく曇りや雨の日が多かったため、旬降水量は東・西日本でかなり多かった。特に東日本太平洋側の旬降水量は平年比247%で、1946年の統計開始以来、4月下旬として1位の多雨となった。また、旬間日照時間は西日本太平洋側でかなり少なく、東日本と西日本日本海側で少なかった。一方、低気圧の影響を受けにくかった北日本と沖縄・奄美では旬間日照時間が多かった。期間の中頃にかけて暖かい空気が流れ込んだため、全国的に旬平均気温がかなり高く、関東甲信地方や九州北部地方、沖縄地方では真夏日となった地点もあった。沖縄・奄美の旬平均気温は平年差+2.6℃で、1946年の統計開始以来、4月下旬として1位の高温となった。

     旬平均気温:全国でかなり高かった。

     旬降水量:東・西日本でかなり多かった。北日本と沖縄・奄美で平年並だった。

     旬間日照時間:西日本太平洋側でかなり少なく、東日本と西日本日本海側で少なかった。一方、北日本と沖縄・奄美で多かった。

    ※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。

極東循環場の特徴

      500hPa天気図:日本付近は、日本の東海上を中心とする帯状の正偏差に覆われた。日本付近には寒気が南下しにくく、北・東日本中心に全国的に気温が高くなった。寒帯前線ジェット気流は平年より北を流れ、北日本を中心に低気圧の活動が弱かった。

      海面気圧と外向き長波放射量平年偏差:海面気圧は、大陸から日本のはるか東にかけて正偏差で、北日本や東・西日本日本海側を中心に高気圧に覆われやすく晴れの日が多かった。本州の南で等圧線にくびれが見られ、期間の後半を中心に前線や低気圧が本州南岸付近をたびたび通過したことに対応している。シベリアからカムチャツカの東にかけては負偏差で低気圧が通過しやすかった。フィリピンの東から日本の南にかけては台風が北上した影響で負偏差となった。外向き長波放射量平年偏差は、フィリピン付近から日付変更線付近にかけて東西に負偏差が見られ対流活動が活発だった。赤道域ではインド洋と日付変更線付近で正偏差が見られ対流活動が不活発だった。

      850hPa気温:アムール川下流域や華南付近では負偏差だった一方、日本付近は日本の東を中心とする正偏差に覆われ、暖かい空気が流れ込みやすかった。

月平均500hPa高度・偏差分布図 月平均850hPa気温・偏差分布図
月平均500hPa高度・偏差分布図 月平均850hPa気温・偏差分布図
月平均海面更正気圧・偏差分布図 月平均外向き長波放射量(OLR)偏差分布図
月平均海面更正気圧・偏差分布図 月平均外向き長波放射量・偏差分布図

    ※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。

記録と台風

  • 月平均気温の高い記録
  • 帯広 釧路 根室 室蘭 苫小牧 広尾

  • 月降水量の多い記録
  • 銚子 大島 千葉

  • 月降水量の少ない記録
  • 帯広 寿都 苫小牧 浦河 江差 倶知安 広尾

  • 月間日照時間の多い記録
  • 西郷 米子 佐世保* (*はタイ記録)

  • 台風の発生(速報値、日本時間)
  • 第1号(8日) 第2号(10日)

  • 台風の接近(速報値)
  • 第1号(伊豆諸島、小笠原諸島)

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