日本の月の天候 ------------------ 対象期間:

令和3年10月15日 作成

2021年(令和3年)9月の特徴:

○北日本日本海側では日照時間はかなり多く、降水量は少なかった

北日本では、月を通して高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かった。このため、日照時間は北日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側で多かった。また、降水量は北日本で少なかった。

○東日本太平洋側と西日本の日照時間は少なかった

東日本太平洋側と西日本では、中旬の中頃にかけては前線や台風第14号の影響で曇りや雨の日が多かったため、日照時間は少なかった。

○沖縄・奄美では気温はかなり高く、日照時間はかなり多かった

沖縄・奄美では、高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、気温はかなり高く、日照時間はかなり多かった。

概況

地域平均気温経過図

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図

北日本では、月を通して高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かった。このため、月間日照時間は北日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側で多かった。北日本日本海側の月間日照時間は平年比130%で、9月として1946年の統計開始以降1位の多照となった。また、月降水量は北日本で少なかった。一方、東・西日本では、中旬の中頃にかけては前線の影響を受けやすく、17日から18日にかけて通過した台風第14号の影響も受けて、曇りや雨の日が多かったため、月間日照時間は東日本太平洋側と西日本で少なかった。その後は、高気圧と低気圧が交互に通過して、天気は数日の周期で変化したが、高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かった。気温は、北・東日本では上旬を中心にオホーツク海高気圧からの冷たい空気の影響を受けて低くなったが、下旬を中心に暖かい空気が流れ込んで高くなった時期があり、月平均気温は平年並だった。西日本では下旬を中心に暖かい空気に覆われやすく、月平均気温は高かった。

沖縄・奄美では、11日から13日にかけて台風第14号が通過した影響で大雨や大荒れとなった所があったほかは、高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、月平均気温はかなり高く、月間日照時間はかなり多かった。

平均気温:沖縄・奄美でかなり高く、西日本で高かった。北・東日本では平年並だった。

降 水 量:北日本で少なかった。東・西日本と沖縄・奄美では平年並だった。

日照時間:北日本日本海側と沖縄・奄美でかなり多く、北日本太平洋側で多かった。一方、東日本太平洋側と西日本で少なかった。東日本日本海側では平年並だった。

月TRS分布図 旬別RS経過図
月平均気温平年偏差、月降水量平年比、月間日照時間平年比の分布図 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図

天候経過


    上旬

     北日本では、オホーツク海高気圧が張り出して晴れた日が多かったため、旬降水量は少なく、旬間日照時間は北日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側で多かった。一方、東・西日本では、前線が停滞しやすく、曇りや雨の日が多くなり、旬降水量は多く、旬間日照時間は東日本太平洋側でかなり少なく、東日本日本海側と西日本で少なかった。沖縄・奄美では、太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多く、旬間日照時間はかなり多く、旬降水量は少なかった。気温は、北・東日本ではオホーツク海高気圧からの冷たい空気の影響を受けやすかったため低く、特に東日本では寡照の影響もあってかなり低くなった。一方、沖縄・奄美では暖かい空気に覆われ、晴れた日が多く、高かった。

     旬平均気温:東日本でかなり低く、北日本で低かった。一方、沖縄・奄美で高かった。西日本で平年並だった。

     旬降水量:東・西日本で多かった。一方、北日本と沖縄・奄美で少なかった。

     旬間日照時間:東日本太平洋側でかなり少なく、東日本日本海側と西日本で少なかった。一方、北日本日本海側と沖縄・奄美でかなり多く、北日本太平洋側で多かった。


    中旬

     北日本と東日本日本海側では、高気圧と低気圧が交互に通過して、天気は数日の周期で変化したが、日本の北から高気圧が張り出して晴れた日が多く、旬間日照時間は北日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側で多かった。旬降水量は北・東日本日本海側で少なかった。東日本太平洋側と西日本では、旬の中頃までは前線や、17日に福岡県に上陸し18日にかけて東進した台風第14号の影響で曇りや雨の日が多くなり、西日本太平洋側を中心に大雨となった所もあったが、旬の終わりは高気圧に覆われて晴れた所が多かった。このため、旬降水量は西日本太平洋側で多く、旬間日照時間は西日本太平洋側でかなり少なく、東日本太平洋側と西日本日本海側で少なかった。沖縄・奄美では、11日から13日にかけて台風第14号が通過したため大雨や大荒れとなった所があり、旬降水量は多かったが、その後は高気圧に覆われて晴れた日が多かった。気温は、北日本では北からの冷たい空気の影響を受けやすく低かった一方、沖縄・奄美では暖かい空気に覆われて高かった。

     旬平均気温:北日本で低かった。一方、沖縄・奄美で高かった。東・西日本で平年並だった。

     旬降水量:北・東日本日本海側で少なかった。一方、西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。北・東日本太平洋側と西日本日本海側で平年並だった。

     旬間日照時間:北日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側で多かった。一方、西日本太平洋側でかなり少なく、東日本太平洋側と西日本日本海側で少なかった。東日本日本海側と沖縄・奄美で平年並だった。


    下旬

     北・東・西日本では、高気圧と低気圧が交互に通過して、天気は数日の周期で変化したが、移動性高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かった。22日から23日にかけては北日本を通過した低気圧の影響で雨が降った。26日頃は上空の寒気や湿った東よりの風の影響で東日本を中心に雨が降り、大雨となった所があった。30日は北日本を通過した低気圧や日本の南を北上した台風第16号の影響で北日本と東日本太平洋側を中心に雨が降った。沖縄・奄美では、高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かった。このため、旬間日照時間は沖縄・奄美でかなり多く、北日本日本海側と東・西日本で多かった。沖縄・奄美の旬間日照時間は平年比151%で、9月下旬として1961年の統計開始以降1位タイの多照となった。また、旬降水量は西日本太平洋側でかなり少なく、北・東日本太平洋側、西日本日本海側、沖縄・奄美で少なかった。気温は、北・東日本では、旬のはじめと終わりに南から暖かい空気が流れ込んだため高かった。西日本と沖縄・奄美では、暖かい空気に覆われやすく、かなり高かった。

     旬平均気温:西日本と沖縄・奄美でかなり高く、北・東日本で高かった。

     旬降水量:西日本太平洋側でかなり少なく、北・東日本太平洋側、西日本日本海側、沖縄・奄美で少なかった。北・東日本日本海側で平年並だった。

     旬間日照時間:沖縄・奄美でかなり多く、北日本日本海側と東・西日本で多かった。北日本太平洋側で平年並だった。

    ※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。

極東循環場の特徴

      500hPa高度:日本の南海上は正偏差が広がり、亜熱帯高気圧が強かった。また、寒帯前線ジェット気流が東シベリア付近で北に、日本の東で南に蛇行し、日本の北で地上付近の高気圧が強かった。この影響で北日本では少雨・多照となった。また、北・東日本を中心に寒気の影響を受けた時期があった。

      海面気圧と外向き長波放射量平年偏差:海面気圧は、日本の北を中心に正偏差が広がり、北日本では高気圧に覆われやすかった。外向き長波放射量偏差は、フィリピン付近から沖縄・奄美にかけてと、北日本付近は正偏差となり、対流活動が不活発だったことを示している。一方、東・西日本付近では負偏差が東西にのび、前線が停滞しやすく、対流活動が活発な時期があったことを示している。

      850hPa気温:日本の東を中心に北・東日本は負偏差となった。一方、西日本から沖縄・奄美にかけては華中付近を中心とした正偏差に覆われた。

月平均500hPa高度・偏差分布図 月平均850hPa気温・偏差分布図
月平均500hPa高度・偏差分布図 月平均850hPa気温・偏差分布図
月平均海面更正気圧・偏差分布図 月平均外向き長波放射量(OLR)偏差分布図
月平均海面更正気圧・偏差分布図 月平均外向き長波放射量・偏差分布図

    ※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。

記録と台風

  • 月降水量の少ない記録
  • むつ

  • 月間日照時間の多い記録
  • 留萌 江差 倶知安 深浦

  • 台風の発生(速報値、日本時間)
  • 第13号(6日) 第14号(7日) 第15号(23日) 第16号(23日)

  • 台風の接近(速報値)
  • 第14号(沖縄地方、九州南部、九州北部地方、四国地方、中国地方、近畿地方、東海地方、伊豆諸島・小笠原諸島、関東甲信地方、北陸地方)

  • 台風の上陸(速報値、日本時間)
  • 第14号(福岡県福津市付近17日、愛媛県松山市付近18日=再上陸、和歌山県有田市付近18日=再上陸)

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