日本の月の天候 ------------------ 対象期間:
2021年(令和3年)4月の特徴:
○全国的に気温は高かった
高気圧に覆われたことや南西からの暖気の影響で、気温は全国的に高かった。
○北日本の降水量はかなり多く、沖縄・奄美の降水量はかなり少なかった
北日本では発達しながら通過した低気圧の影響で降水量がかなり多かった。沖縄・奄美では湿った気流の影響を受けにくく降水量がかなり少なかった。
○全国的に日照時間は多かった
高気圧に覆われる日が多かったため、北日本太平洋側、東日本、西日本日本海側では日照時間がかなり多く、北日本日本海側、西日本太平洋側では多かった。湿った気流の影響を受けにくかった沖縄・奄美でも、日照時間が多かった。
概況

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図
上旬前半は、高気圧に覆われたことや南西からの暖気の影響で全国的にかなり気温が高く、西日本では夏日となったところもあった。その後は本州付近を移動性高気圧が通過して寒気と暖気の影響を交互に受けたため、北・東・西日本では気温の変動が大きかった。月平均気温は全国的に高かった。
沖縄・奄美では北東風が入る日が多く、南からの湿った気流の影響を受けにくかったため、月降水量がかなり少なかった。一方、13日から14日にかけてと17日から19日にかけて低気圧が発達しながら日本海からオホーツク海を進んだ影響で、北日本ではまとまった降水となった所があり、28日から30日にかけては本州付近を低気圧が北東に進み、広い範囲で雨となった。このため月降水量は北日本でかなり多く、東日本日本海側で多かった。
高気圧に覆われる日が多かったため、北日本太平洋側、東日本、西日本日本海側では月間日照時間はかなり多く、北日本日本海側、西日本太平洋側では多かった。沖縄・奄美では湿った気流の影響を受けにくく月間日照時間が多かった。
平均気温:全国的に高かった。
降水量:北日本でかなり多く、東日本日本海側で多かった。一方、沖縄・奄美でかなり少なく、西日本日本海側で少なかった。東・西日本太平洋側では平年並だった。
日照時間:北日本太平洋側、東日本、西日本日本海側でかなり多く、北日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美で多かった。
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2021年4月の地域平均気候表
※本文中の北・東・西日本の降水量・日照時間の特徴は、地域平均気候表における日本海側・太平洋側の階級に基づいて記述している。
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月平均気温平年偏差、月降水量平年比、月間日照時間平年比の分布図 | 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図 |
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天候経過
上旬
前半は高気圧に覆われたことと南西からの暖気の影響で全国的に気温が高く、西日本で夏日となったところもあった。4日から5日にかけては前線に向かって南から湿った気流が入り北・東・西日本を中心に雨となった。後半は全国的に高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かった。旬間日照時間は全国的に多く、特に東日本日本海側の平年比は144%で1961年の統計開始以来、4月上旬として1位の多照となった。
旬平均気温:全国的に高く、西日本ではかなり高かった。
旬降水量:北・東日本太平洋側と西日本、沖縄・奄美で少なかった。北・東日本日本海側で平年並だった。
旬間日照時間:北日本と東・西日本日本海側ではかなり多く、東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。
中旬
低気圧と高気圧が本州付近を交互に通過し、天気は数日の周期で変わった。前半と後半に前線を伴った低気圧が発達しながら日本海からオホーツク海へ進み、北・東・西日本では雨が降った日があった。旬降水量は北日本でかなり多く、特に北日本日本海側の平年比は227%で1961年の統計開始以来、4月中旬として1位の多雨となった。沖縄・奄美では南からの湿った気流の影響を受けにくかったため、旬降水量はかなり少なく、旬間日照時間は多かった。
旬平均気温:北日本で高く、東・西日本と沖縄・奄美で平年並だった。
旬降水量:北日本でかなり多く、東日本では多かった。一方、沖縄・奄美ではかなり少なかった。西日本では平年並だった。
旬間日照時間:東日本太平洋側、西日本日本海側、沖縄・奄美で多く、北日本、東日本日本海側、西日本太平洋側で平年並だった。
下旬
北・東・西日本では高気圧に覆われて晴れる日が多かった。前半は、日本海から南海上にかけて張り出した高気圧から暖気が流れ込み、西日本を中心に高温となり、真夏日となったところもあった。25日から27日にかけては、北から寒気が流れ込んだ影響で、北・東・西日本では広い範囲で気温が低くなった。沖縄・奄美では期間の前半に台風第2号の影響で雨となったところがあった。28日から30日にかけては、低気圧が発達しながら本州付近を北東に進み、広い範囲で雨となった。
旬平均気温:西日本で高かった。北・東日本と沖縄・奄美では平年並だった。
旬降水量:東日本日本海側でかなり多く、北・西日本太平洋側で多かった。北日本日本海側、東日本太平洋側、西日本日本海側、沖縄・奄美では平年並だった。
旬間日照時間:北日本太平洋側でかなり多く、北日本日本海側、東・西日本、沖縄・奄美で多かった。
※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。
極東循環場の特徴
500hPa天気図:中国東北区付近と北太平洋北部を中心に平年より高度が高く、その間で日本付近は相対的に気圧の谷になった。西シベリアから東経90度付近にかけて平年より高度が高く、東アジアに寒気が南下しやすかった。日本の南海上では広く平年より高度が低く、沖縄・奄美は南からの湿った空気が流れ込みにくかった
海面気圧と外向き長波放射量平年偏差:海面気圧は、西シベリアから東アジアにかけてと北太平洋北部で明瞭な正偏差となった。太平洋の低緯度域では広く負偏差となった。外向き長波放射量平年偏差は、フィリピン付近から日付変更線付近で負偏差が見られ対流活動が活発だった。インド洋熱帯域からインドネシアにかけては正偏差で対流活動が不活発だった。
850hPa気温:極域の寒気がたびたび南下し、東アジアで概ね負偏差となった。日本の南海上では北東風偏差となり広く負偏差だった。
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月平均500hPa高度・偏差分布図 | 月平均850hPa気温・偏差分布図 |
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月平均海面更正気圧・偏差分布図 | 月平均外向き長波放射量・偏差分布図 |
※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。
記録と台風
なし
雄武* (*はタイ記録)
水戸
第2号(14日)
第2号(沖縄地方)