日本の月の天候 ------------------ 対象期間:
2021年(令和3年)2月の特徴:
○気温は、全国的に高く、東・西日本でかなり高かった
寒気の南下が弱かったことや、北日本付近を通過した低気圧に向かって暖かい空気が流れ込んだ時期もあったことから、全国的に気温が高く、東・西日本でかなり高かった。
○降水量は、北日本日本海側でかなり多かった
北日本では低気圧が通過することが多く、冬型の気圧配置となった時期もあったため、月降水量は北日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側で多かった。
○日照時間は、東日本太平洋側、西日本日本海側と沖縄・奄美で記録的に多かった
高気圧に覆われやすく、寒気の影響を受けにくかったため、月間日照時間は東・西日本と沖縄・奄美でかなり多く、平年比は東日本太平洋側で 125%、西日本日本海側で 145%、沖縄・奄美で 189%と、1946 年の統計開始以来 2 月として 1 位の多照となった。
概況

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図
シベリア高気圧の勢力が弱く、日本付近の冬型の気圧配置は長続きしなかった。北日本では低気圧が通過することが多く、低気圧の通過後には冬型の気圧配置となって寒気の流れ込んだ時期もあった。15 日から 16 日にかけては、日本付近で急速に発達した低気圧の影響で北・東日本を中心に広い範囲で大荒れとなった。沖縄・奄美では、中旬のはじめと下旬の後半に低気圧の影響で大雨やまとまった雨となった所があった。これらの影響により、北日本日本海側を中心に曇りや雪または雨の日が多く、月降水量は北日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。一方、東日本以西では高気圧に覆われて晴れる日が多く、寒気の影響を受けにくかったため、月間日照時間の平年比が、東日本太平洋側で 125%、西日本日本海側で 145%、沖縄・奄美で 189%と、それぞれ 1946 年の統計開始以来 2 月として 1 位の多照となるなど、東・西日本と沖縄・奄美でかなり多かった。
月平均気温は、寒気の南下が弱かったことや、北日本付近を通過した低気圧に向かって暖かい空気が流れ込んだ時期もあったことから全国的に高く、東・西日本でかなり高かった。日本海側の降雪量は、気温の高い日が多く雨となった日もあったことから、北・東日本日本海側で少なかった。
平均気温:東・西日本でかなり高く、北日本と沖縄・奄美で高かった。
降水量:北日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。東・西日本では平年並だった。
日照時間:東・西日本と沖縄・奄美でかなり多かった。一方、北日本日本海側で少なかった。北日本太平洋側では平年並だった。
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2021年2月の地域平均気候表
※本文中の北・東・西日本の降水量・日照時間の特徴は、地域平均気候表における日本海側・太平洋側の階級に基づいて記述している。
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月平均気温平年偏差、月降水量平年比、月間日照時間平年比の分布図 | 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図 |
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天候経過
上旬
北日本付近を低気圧や前線が通過することが多く、低気圧の通過後には北日本を中心に冬型の気圧配置の強まる時期があったため、北日本日本海側を中心に曇りや雪または雨の日が多かった。旬間日照時間は北日本日本海側でかなり少なく、北日本太平洋側で少なかった。旬降水量は、北日本日本海側でかなり多く、東日本日本海側で多かった。また、1 日に前線の通過に伴い九州北部地方で大雨となった所もあったため、西日本日本海側でも多かった。一方、東日本太平洋側と西日本、沖縄・奄美では、大陸から張り出す高気圧に覆われやすかったため晴れる日が多かった。旬間日照時間はかなり多く、特に、西日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美の平年比はそれぞれ 155%、142%、252%で、ともに 1961 年の統計開始以来、2 月上旬として 1 位の多照となった。旬平均気温は、暖かい空気に覆われやすかったため、東・西日本と沖縄・奄美ではかなり高かったが、冬型の気圧配置が強まり寒気の影響を受けた時期もあった北日本では平年並だった。
旬平均気温:東・西日本と沖縄・奄美でかなり高かった。北日本では平年並だった。
旬降水量:北日本日本海側でかなり多く、東・西日本日本海側で多かった。一方、沖縄・奄美でかなり少なく、北日本太平洋側で少なかった。東・西日本太平洋側では平年並だった。
旬間日照時間:東日本太平洋側と西日本、沖縄・奄美でかなり多かった。一方、北日本日本海側でかなり少なく、北日本太平洋側で少なかった。東日本日本海側では平年並だった。
中旬
北日本では低気圧の影響を受けやすく曇りや雪または雨の日が多かった。特に 15 日から16 日にかけて、本州南岸の低気圧が急速に発達しながら北東進し、北海道付近で 946hPa まで発達した影響で、15 日には静岡県天城山で日降水量が 227.5mm と 2 月の記録を更新したほか、16 日には 147 地点で日最大瞬間風速の 2 月の記録を更新(タイ記録含む)するなど、北・東日本を中心に広い範囲で大荒れとなった。また、低気圧の通過後は一時的に冬型の気圧配置が強まり、北・東・西日本日本海側で大雪となった所があった。沖縄・奄美では、旬のはじめに低気圧の影響で大雨となった所があった。このため、旬降水量は北日本と東日本日本海側でかなり多く、東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。一方、東日本以西では、高気圧に覆われて晴れる日が多かったため、旬間日照時間は、東・西日本日本海側でかなり多く、東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。旬平均気温は、移動性高気圧に覆われた時期があったことや低気圧に向かって暖かい空気が流れ込みやすかったため、北・東日本でかなり高く、西日本で高かった。
旬平均気温:北・東日本でかなり高く、西日本で高かった。沖縄・奄美では平年並だった。
旬降水量:北日本と東日本日本海側でかなり多く、東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。西日本日本海側では平年並だった。
旬間日照時間:東・西日本日本海側でかなり多く、東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。北日本では平年並だった。
下旬
北日本では、冬型の気圧配置となり寒気の影響を受けた時期があったが、全国的に高気圧に覆われやすく、東日本を中心に晴れの日が多かったほか、東日本以西では寒気の影響を受けにくかった。沖縄・奄美では、旬の後半に低気圧や前線の影響でまとまった雨となった所があった。このため、旬降水量は、沖縄・奄美で多かったが、東日本ではかなり少なく、北日本太平洋側と西日本日本海側で少なかった。特に、旬降水量の平年比が東日本太平洋側で 4%と1961 年の統計開始以来 2 月下旬として 1 位の、東日本日本海側で 14%と 1 位タイの少雨となった。また、旬間日照時間は、西日本日本海側で平年比 152%と、1961 年の統計開始以来 2 月下旬として 1 位の多照となるなど、東日本と西日本日本海側でかなり多く、北・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。旬平均気温は、高気圧に覆われやすく、北日本付近を通過した低気圧に向かって暖かい空気が流れ込んだ時期もあったため、西日本と沖縄・奄美でかなり高く、東日本で高かった。
旬平均気温:西日本と沖縄・奄美でかなり高く、東日本で高かった。北日本では平年並だった。
旬降水量:東日本でかなり少なく、北日本太平洋側と西日本日本海側で少なかった。一方、沖縄・奄美で多かった。北日本日本海側と西日本太平洋側では平年並だった。
旬間日照時間:東日本と西日本日本海側でかなり多く、北・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。北日本日本海側では平年並だった。
※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。
極東循環場の特徴
500hPa天気図:日本付近はユーラシア大陸から日本の東海上にかけて帯状に広がる平年より高度の高い領域の中となり、大陸からの寒気の影響を受けにくかったことを示している。一方、中央シベリアには極渦があり、千島近海にかけて平年より高度が低く、北海道付近の高度は平年からの隔たりが小さかった。
海面気圧と外向き長波放射量平年偏差:海面気圧は、ユーラシア大陸が負偏差で、シベリア高気圧の勢力が弱く冬型の気圧配置は弱かった。また、オホーツク海からカムチャツカ半島付近を中心に負偏差が明瞭で、北日本付近を低気圧が通過しやすかった。一方、本州南岸から日本のはるか東海上にかけては正偏差で、東・西日本を中心に高気圧に覆われやすかった。外向き長波放射量平年偏差は、フィリピン付近からインドネシア付近が負偏差で対流活動が活発だった。一方、インド洋東部から南シナ海にかけてと、太平洋熱帯域の日付変更線付近は正偏差で対流活動が不活発だった。
850hPa気温:日本付近は中国大陸から広がる明瞭な正偏差に覆われており、大陸からの寒気の影響が弱かった。一方、バイカル湖の東から沿海州にかけて負偏差で、北日本では寒気の影響を受けた時期があった。
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月平均500hPa高度・偏差分布図 | 月平均850hPa気温・偏差分布図 |
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月平均海面更正気圧・偏差分布図 | 月平均外向き長波放射量・偏差分布図 |
※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。
記録と台風
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第1号(18日)
なし