日本の月の天候 ------------------ 対象期間:
2020年(令和2年)2月の特徴:
○気温は、全国的に高く、東日本でかなり高かった
冬型の気圧配置となる日が少なく、暖かい空気に覆われやすかったことや、南から暖かい空気が流入した時期もあったため、月平均気温は東日本でかなり高く、北・西日本と沖縄・奄美で高かった。
○日本海側の降雪量は、北・東日本でかなり少なかった
冬型の気圧配置となる日が少なく、寒気の影響を受けにくかったため、月降雪量は北・東日本日本海側でかなり少なかった。
○沖縄・奄美では、降水量がかなり少なく、日照時間はかなり多かった
沖縄・奄美では、高気圧に覆われることが多かったことや、寒気の影響を受けにくかったため、月降水量がかなり少なく、月間日照時間はかなり多かった。
概況

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図
上旬には北日本で強い寒気の影響を受けた時期があったほか、中旬には低気圧や前線、一時的な寒気の影響で北日本から西日本で曇りや雪または雨の日が多い所があったものの、全般に日本付近は高気圧と低気圧が交互に通過し、冬型の気圧配置となる日が少なかった。このため、天気は数日の周期で変わり、北・東・西日本日本海側では曇りや雪または雨の日が少なかった。
南から暖かい空気が流れ込んだ時期もあったため、月平均気温は東日本でかなり高く、北・西日本と沖縄・奄美で高かった。月降雪量は北日本日本海側、東日本、西日本太平洋側でかなり少なく、北日本太平洋側と西日本日本海側で少なかった。沖縄・奄美では、移動性高気圧や日本の南海上の高気圧に覆われることが多かったため、月降水量がかなり少なく、月間日照時間はかなり多かった。
平均気温:東日本でかなり高く、北・西日本と沖縄・奄美で高かった。
降水量:沖縄・奄美でかなり少なかった。一方、西日本日本海側では多く、北・東日本と西日本太平洋側では平年並だった。
日照時間:沖縄・奄美でかなり多く、北・東日本日本海側と西日本で多かった。北・東日本太平洋側では平年並だった。
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2020年2月の地域平均気候表
※本文中の北・東・西日本の降水量・日照時間の特徴は、地域平均気候表における日本海側・太平洋側の階級に基づいて記述している。
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月平均気温平年偏差、月降水量平年比、月間日照時間平年比の分布図 | 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図 |
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天候経過
上旬
北日本では旬のはじめは寒気の影響を受けにくかったが、旬の中頃からは冬型の気圧配置となって強い寒気が流入したため旬平均気温は低く、特に北海道地方では9日に旭川市江丹別で-36.0℃を観測するなど厳しい冷え込みとなった。一方、東・西日本と沖縄・奄美では、寒気の影響を受けにくかったことや、低気圧や前線の影響を受けにくかったため晴れた日が多く、東日本で旬平均気温が高かった他、旬降水量は東日本太平洋側と西日本日本海側でかなり少なく、旬間日照時間も多かった。特に東日本太平洋側では、平年比124%とかなり多く、旬間日照時間が1961年の統計開始以来2月上旬として1位タイの多さとなった。
旬平均気温:東日本で高かった。一方、北日本で低かった。西日本と沖縄・奄美では平年並だった。
旬降水量:東日本太平洋側と西日本日本海側でかなり少なく、西日本太平洋側で少なかった。北日本と東日本日本海側、沖縄・奄美では平年並だった。
旬間日照時間:東日本太平洋側でかなり多く、東日本日本海側と西日本、沖縄・奄美で多かった。北日本では平年並だった。
中旬
冬型の気圧配置が続かず、日本付近を前線や低気圧が通過することが多かったため、北日本太平洋側では曇りや雨または雪の日が多く、西日本太平洋側では曇りや雨の降る日が多かった。16日から18日にかけては、発達する低気圧の影響やその後の一時的な冬型の気圧配置の強まりにより、北・東・西日本日本海側を中心に大荒れや大雨、大雪となった所があった。暖かい空気に覆われやすかったことや、低気圧に向かって南から暖かく湿った空気が流れ込んだ時期もあったことから、平均気温は全国的に高く、特に北・東日本では平年差がそれぞれ+3.5℃、+3.7℃と、2月中旬として1位の高温となった。
旬平均気温:北・東・西日本でかなり高く、沖縄・奄美で高かった。
旬降水量:北日本太平洋側と東日本日本海側、西日本で多かった。一方、沖縄・奄美で少なかった。北日本日本海側と東日本太平洋側では平年並だった。
旬間日照時間:北・西日本太平洋側で少なかった。北・西日本日本海側と東日本、沖縄・奄美では平年並だった。
下旬
全国的に高気圧と低気圧が交互に通過し、天気は数日の周期で変わった。北日本では、冬型の気圧配置となる日が少なく低気圧の影響も受けにくかったため、旬間日照時間が多かった。西日本から沖縄・奄美にかけては、低気圧の影響により西日本日本海側で降水量が多くなったものの、高気圧に覆われて晴れた日が多かった。特に沖縄・奄美では旬降水量がかなり少なく、旬間日照時間はかなり多かった。また、全国的に寒気の影響が弱かったことや、南から暖かい空気が流れ込んだ日もあったことから、旬平均気温は全国的に高かった。
旬平均気温:沖縄・奄美でかなり高く、北・東・西日本で高かった。
旬降水量:沖縄・奄美でかなり少なく、東日本日本海側で少なかった。一方、西日本日本海側では多く、北日本、東・西日本太平洋側では平年並だった。
旬間日照時間:沖縄・奄美でかなり多く、北日本、西日本太平洋側で多かった。東日本と西日本日本海側では平年並だった。
※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。
極東循環場の特徴
500hPa天気図:北極付近の高度は平年より低い一方、日本を含む中緯度帯の高度は高かった。また、偏西風は日本付近で北へ蛇行する流れとなっていた。このため、日本付近には、寒気が流れ込みにくく、暖かい空気に覆われやすかったが、ベーリング海で高度が低く、北日本では寒気の影響を受けた時期があった。
海面気圧と外向き長波放射量平年偏差:海面気圧は、日本の南海上から東海上にかけて正偏差が明瞭で、冬型の気圧配置は弱かった。外向き長波放射量平年偏差は、インドネシア付近が広く正偏差で対流活動は不活発だった。一方、太平洋熱帯域の日付変更線付近は負偏差で対流活動が活発だった。
850hPa気温:大陸から日本付近にかけては広く正偏差に覆われ、大陸からの寒気の影響が弱かった。
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月平均500hPa高度・偏差分布図 | 月平均850hPa気温・偏差分布図 |
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月平均海面更正気圧・偏差分布図 | 月平均外向き長波放射量・偏差分布図 |
※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。
記録と台風
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日光 那覇
石垣島
なし