日本の月の天候 ------------------ 対象期間:
2019年(平成31年)2月の特徴
○気温は、全国的に高く、沖縄・奄美では記録的な高温となった
東・西日本と沖縄・奄美では暖かい空気に覆われやすく、月平均気温は高かった。特に、沖縄・奄美では、月平均気温の平年差が+2.7℃となり、2月として最も高かった(統計開始は1946年)。また、北日本でも下旬は暖かい空気に覆われて顕著な高温となり、月平均気温が高くなった。
○北・東・西日本日本海側の降雪量はかなり少なく、西日本日本海側では記録的な少雪となった
寒気や発達した低気圧の影響は小さく、北・東・西日本日本海側の月降雪量はかなり少なかった。特に、西日本の月降雪量は平年比1%で、2月として最も少なかった(統計開始は1961年)。
○降水量は、北日本と東日本日本海側で少なく、九州南部と沖縄・奄美で多かった
北日本と東日本日本海側では、寒気や発達した低気圧の影響を受けにくかったため月降水量は少なく、東日本日本海側ではかなり少なかった。一方、九州南部と沖縄・奄美では、暖かく湿った空気の影響で、月降水量は多かった。
概況

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図
北日本では冬型の気圧配置となりやすく、日本海側では曇りや雪の日が多く、太平洋側は晴れた日が多かった。また、発達した低気圧や湿った空気の影響を受けにくかったため、月降水量は少なく、月降雪量はかなり少なかった。北日本には、8日9時に札幌付近の上空約1500mの気温が1957年の統計開始以降最も低い−24.4℃となるなど、上旬は非常に強い寒気が流れ込んで気温が平年を大幅に下回った。ただし、下旬は上空に暖かい空気が流れ込んで顕著な高温となり、北日本の月平均気温は高かった。
東・西日本では、北からの寒気の影響は弱く、月平均気温は高く、日本海側の月降雪量はかなり少なかった。特に、西日本日本海側の月降雪量は平年比1%となり、2月として最も少なかった(統計開始は1961年)。また、東日本日本海側の月降水量はかなり少なかった。冬型の気圧配置は長続きせず、低気圧や前線の影響を受けやすかったため、平年では晴れの日が多い東・西日本太平洋側では月間日照時間が少なく、九州南部では月降水量が多かった。
沖縄・奄美では、北からの寒気の影響は弱く、月平均気温の平年差が+2.7℃とかなり高く、2月として最も高かった(統計開始は1946年)。また、南からの暖かく湿った空気の影響で、月降水量は多かった。
平均気温:沖縄・奄美でかなり高く、北・東・西日本で高かった。
降水量:東日本日本海側でかなり少なく、北日本で少なかった。一方、西日本太平洋側と沖縄・奄美では多かった。東日本太平洋側と西日本日本海側では平年並だった。
日照時間:東・西日本太平洋側で少なかった。北日本、東・西日本日本海側と沖縄・奄美では平年並だった。
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2019年2月の地域平均気候表
※本文中の北・東・西日本の降水量・日照時間の特徴は、地域平均気候表における日本海側・太平洋側の階級に基づいて記述している。
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月平均気温平年偏差、月降水量平年比、月間日照時間平年比の分布図 | 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図 |
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天候経過
上旬
北日本では、寒気や低気圧の影響を受けやすく、旬平均気温は低く、旬間日照時間が少なかった。8日に札幌付近の上空約1500mの9時の気温が1957年の統計開始以降最も低い−24.4℃となるなど、旬の終わりは北日本を中心に非常に強い寒気が流れ込んだため、気温は北日本を中心にかなり低くなった。特に北海道地方では、9日の日最低気温が4地点(アメダス)で−30℃を下回るなど、厳しい寒さとなった。一方、東・西日本では寒気の影響は弱く、旬平均気温はかなり高かった。冬型の気圧配置は長続きせず、本州南岸を低気圧や前線が通過しやすかったため、西日本と東日本太平洋側では旬間日照時間が少なかった。旬の終わりは東・西日本にも寒気が流れ込んで気温が低く、9日に本州南岸を低気圧が通過したときには、日本海側に加えて東日本太平洋側でも各地で雪となった。沖縄・奄美では、暖かい空気に覆われて寒気の影響が弱かったため、旬平均気温はかなり高く、旬間日照時間は多かった。
旬平均気温:北日本で低かった。一方、東・西日本と沖縄・奄美でかなり高かった。
旬降水量:北・西日本と沖縄・奄美で多かった。一方、東日本日本海側で少なかった。東日本太平洋側では平年並だった。
旬間日照時間:北・西日本と東日本太平洋側で少なかった。一方、東日本日本海側と沖縄・奄美で多かった。
中旬
北日本では、冬型の気圧配置になりやすく、日本海側は曇りや雪の日が多く、太平洋側は概ね晴れた。東・西日本では、冬型の気圧配置は長続きせず、低気圧や湿った空気の影響で旬間日照時間が少なかった。沖縄・奄美では、寒気の影響は弱かったものの、前線や南から暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で曇りや雨の日が多く、旬降水量が多かった。気温は、北・東・西日本では旬の中頃にかけて断続的に寒気が流れ込んで気温の低い日が多かったものの、旬の終わりは上空から暖かい空気に覆われて気温がかなり高くなった。一方、沖縄・奄美では、暖かい空気に覆われやすく、旬平均気温はかなり高かった。
旬平均気温:沖縄・奄美でかなり高く、東日本で高かった。一方、北・西日本では平年並だった。
旬降水量:北日本でかなり少なく、東日本太平洋側で少なかった。一方、沖縄・奄美で多かった。東日本日本海側と西日本では平年並だった。
旬間日照時間:東・西日本で少なかった。一方、北日本と沖縄・奄美では平年並だった。
下旬
上空から暖かい空気に覆われ、旬平均気温は全国的に高く、北日本と沖縄・奄美ではかなり高かった。大陸から北日本へ高気圧が張り出しやすかったため、北日本と東・西日本日本海側では旬間日照時間が多く、北・東日本日本海側ではかなり多かった。一方、本州の南を低気圧が通過しやすく、東・西日本太平洋側では旬間日照時間が少なかった。沖縄・奄美では、前線や暖かく湿った空気の影響でまとまった降水量となった日があり、旬降水量が多かった。
旬平均気温:北日本と沖縄・奄美でかなり高く、東・西日本で高かった。
旬降水量:北日本と東日本日本海側でかなり少なく、西日本日本海側で少なかった。一方、沖縄・奄美で多かった。東・西日本太平洋側では平年並だった。
旬間日照時間:北・東日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側と西日本日本海側で多かった。一方、東・西日本太平洋側で少なかった。沖縄・奄美では平年並だった。
極東循環場の特徴
500hPa天気図:オホーツク海からカムチャツカ半島付近は極うずが南下しやすく、北日本を中心に強い寒気の流れ込みやすい時期があった。一方、本州以南は高度が高く、暖かい空気に覆われやすかった。
海面気圧と外向き長波放射量平年偏差:海面気圧は、オホーツク海からカムチャツカ半島付近で低い一方、バイカル湖付近では高く、北日本では西高東低の冬型の気圧配置の強まった時期があった。一方、東日本以南では全体的に海面気圧が高く、冬型の気圧配置は弱かった。外向き長波放射量平年偏差は、フィリピン付近は正偏差で、対流活動が不活発だった。一方、東シナ海から本州南岸にかけては帯状に負偏差で、冬型の気圧配置が長続きせず低気圧や前線の影響を受けやすかった。
850hPa気温:本州以南は広く正偏差で、特に華南から沖縄・奄美付近は明瞭な正偏差となった。一方、北海道からカムチャツカ半島付近は負偏差となった。
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月平均500hPa高度・偏差分布図 | 月平均850hPa気温・偏差分布図 |
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月平均海面更正気圧・偏差分布図 | 月平均外向き長波放射量・偏差分布図 |
記録と台風
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