2025年5月の天候

2025年6月2日 掲載

2025年5月の特徴

* 気温は、北日本で高かった

気温は、北日本中心に暖かい空気が流れ込みやすかったため、北日本で高かった。

* 降水量は、東日本太平洋側ではかなり多かった

降水量は、日本付近を通過した低気圧や中旬から下旬に九州南部から本州南岸に停滞した梅雨前線の影響を受けた東日本太平洋側ではかなり多く、西日本日本海側と西日本太平洋側では多かった。また、前線や湿った空気の影響を受けやすかった沖縄・奄美でも多かった。

* 日照時間は、東日本太平洋側ではかなり少なかった

日照時間は、湿った空気が流れ込み、低気圧や前線の影響を受けやすかった東日本太平洋側ではかなり少なく、西日本太平洋側では少なかった。

概況

北・東・西日本では天気は数日の周期で変わったが、1日から2日に本州南岸を、9日から10日と16日から17日に日本海をそれぞれ低気圧が通過した影響や、中旬から下旬に九州南部から本州南岸に接近した梅雨前線の影響などから、太平洋側を中心にまとまった雨となり、大雨となった所があった。このため、月降水量は、東日本太平洋側ではかなり多く、西日本日本海側と西日本太平洋側では多かった。月間日照時間は、東日本太平洋側ではかなり少なく、西日本太平洋側では少なかった。また、沖縄・奄美では、前線や湿った空気の影響で10日から11日頃には前線の活動が活発化し、大雨となった所があり、月降水量は多かったが、中旬には高気圧に覆われて晴れた日が続いた時期もあった。月平均気温は、北日本中心に暖かい空気が流れ込みやすかったため、北日本では高かった。一方、沖縄・奄美では、寒気の影響を受けた時期もあり、気温の変動が大きかった。

平均気温は、北日本では高かった。東日本、西日本、沖縄・奄美では平年並だった。

降水量は、東日本太平洋側ではかなり多かった。西日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美では多かった。北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本日本海側では平年並だった。

日照時間は、東日本太平洋側ではかなり少なかった。西日本太平洋側では少なかった。北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本日本海側、西日本日本海側、沖縄・奄美では平年並だった。

気温、降水量、日照時間等の気候統計値

平均気温平年差、降水量平年比、日照時間平年比の分布 地域平均平年差、地域平均平年比の1位の値の更新状況
(図表)気温平年差、降水量平年比、日照時間平年比の分布

* 平均気温の高い記録を更新した地域

なし

* 平均気温の低い記録を更新した地域

なし

* 降水量の多い記録を更新した地域

なし

* 降水量の少ない記録を更新した地域

なし

* 日照時間の多い記録を更新した地域

なし

* 日照時間の少ない記録を更新した地域

なし

旬降水量の地域平均平年比、旬間日照時間の地域平均平年比の経過 平均気温の地域平均平年差の経過(5日移動平均)
(図表)旬降水量の地域平均平年比、旬間日照時間の地域平均平年比の経過
この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。(※1
(図表)気温の地域平均平年差の経過(5日移動平均) この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。(※1

旬別の天候経過

上旬

全国的に天気は数日の周期で変わったが、西日本中心に高気圧に覆われやすかった。このため、旬間日照時間は西日本日本海側と西日本太平洋側で多かった。1日から2日に本州南岸を、9日から10日に日本海をそれぞれ低気圧が通過した影響で、東・西日本を中心にまとまった雨となり、大雨となった所があった。このため、旬降水量は東・西日本太平洋側と西日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側と東日本日本海側で多かった。沖縄・奄美では、前線や湿った空気の影響を受けやすく、10日には活動の活発な前線の影響で大雨となった所があった。このため、旬降水量はかなり多く、旬間日照時間は少なかった。旬平均気温は、北日本は暖かい空気が流れ込みやすかった一方、東・西日本では寒気の影響を受けやすかったため、北日本で高く、東・西日本で低かった。

旬平均気温は、北日本では高かった。東日本、西日本では低かった。沖縄・奄美では平年並だった。

旬降水量は、東日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美ではかなり多かった。北日本太平洋側、東日本日本海側では多かった。北日本日本海側では平年並だった。

旬間日照時間は、西日本日本海側、西日本太平洋側では多かった。沖縄・奄美では少なかった。北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本日本海側、東日本太平洋側では平年並だった。

中旬

北日本から西日本では天気は数日の周期で変わったが、旬の後半は西日本太平洋側を中心に、九州南部から本州の南海上に停滞した前線の影響を受けやすかった。九州南部は16日頃、奄美地方は19日頃に梅雨入りしたとみられる(速報値)。このため、旬間日照時間は西日本太平洋側で少なかった。北・東・西日本日本海側と北日本太平洋側では低気圧や前線の影響を受けにくかったため、旬降水量は少なかった。沖縄・奄美では、旬のはじめと終わりは前線や湿った空気の影響を受けたが、そのほかの日は高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、旬間日照時間は多かった。北・東・西日本では暖かい空気が流れ込みやすく、旬平均気温はかなり高かった。東日本では旬平均気温平年差が+2.2℃となり、1946年の統計開始以降、5月中旬として1位の高温となった。沖縄・奄美では旬のはじめは寒気の影響を受けたが、その後は暖かい空気が流れ込んだため、旬平均気温は高かった。

旬平均気温は、北日本、東日本、西日本ではかなり高かった。沖縄・奄美では高かった。

旬降水量は、北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本日本海側、西日本日本海側では少なかった。東日本太平洋側、西日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。

旬間日照時間は、沖縄・奄美では多かった。西日本太平洋側では少なかった。北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本日本海側、東日本太平洋側、西日本日本海側では平年並だった。

下旬

北日本では21日から22日頃に日本海の停滞前線や30日から31日頃に前線を伴った低気圧の影響を受けやすかった。このため、北日本日本海側と北日本太平洋側では旬降水量が多かった。東日本と西日本では21日から22日頃に九州南部から本州南岸に停滞した梅雨前線や前線上の低気圧や、24日から25日頃に本州付近を、29日から31日頃にかけて本州南岸をそれぞれ通過した低気圧の影響でまとまった雨となり、大雨となった所があった。このため、旬降水量は西日本日本海側と西日本太平洋側でかなり多く、東日本太平洋側では多かった。旬間日照時間は、東・西日本太平洋側ではかなり少なく、東・西日本日本海側では少なかった。東日本太平洋側では旬間日照時間平年比が44%となり、1961年の統計開始以降、1963年と並び、5月下旬として1位タイの寡照となった。沖縄・奄美では、梅雨前線や湿った空気の影響を受けやすかったため、旬降水量は多かった。沖縄地方は22日頃に梅雨入りしたとみられる(速報値)。また、旬のはじめ頃は暖かい空気が流れ込みやすく、全国的に気温が上がり、21日には真夏日を観測した地点も多かったが、中頃以降は寒気の影響を受けやすかった。このため、旬平均気温は東日本と西日本では低かった。

旬平均気温は、東日本、西日本では低かった。北日本、沖縄・奄美では平年並だった。

旬降水量は、西日本日本海側、西日本太平洋側ではかなり多かった。北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本太平洋側、沖縄・奄美では多かった。東日本日本海側では平年並だった。

旬間日照時間は、東日本太平洋側、西日本太平洋側ではかなり少なかった。東日本日本海側、西日本日本海側では少なかった。北日本日本海側、北日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。

※ 下旬の循環場の図は翌月数日経ってから掲載します。掲載までお待ちください。

循環場

500hPa高度場等の特徴

500hPa高度では、日本付近から東海上にかけて正偏差に覆われた一方、中国東北区付近は負偏差となり、西谷が明瞭であった。亜熱帯ジェット気流は東シナ海付近で南に蛇行して流れ、日本付近では西南西の流れが強まった。これらに対応して、海面気圧では日本の東で太平洋高気圧が強かった一方、中国東北区から本州付近にかけては気圧の谷となり、梅雨前線が九州南部から本州付近で停滞した時期もあった。このため、北日本を中心に日本付近には暖かく湿った空気が流れ込みやすかった。

月別値で作成した図を表示しています。 (※2、翌月はじめに暫定版として作成・掲載している日別値の図はこちら 翌月はじめに暫定的に日別値で作成した図で、月末までのデータを含まない事があります。6日頃に月別値で作成した図を掲載します。(月別値の図は掲載後にこちらで確認できます)
2025年5月平均500hPa高度・偏差の分布(単位:m) 2025年5月平均850hPa気温・偏差の分布(単位:℃)
2025年5月平均海面気圧・偏差の分布(単位:hPa) 2025年5月平均外向き長波放射量の偏差の分布(単位:W/m2
外向き長波放射量(OLR)の図は翌月数日経ってから作成しています。
※ 米国海洋大気庁(NOAA)が作成する外向き長波放射量(OLR)のデータが欠損により利用できない場合には、OLR偏差図は描画されません。

資料





: 特に作成日の言及がない図は、本資料を掲載した月初時点に作成したものです。

※1 : リンク先の図表類は、平年値更新時などに再作成されることがあります。リンク先にある平年値期間などの記述をご確認ください。

※2 : こちらに掲載しているものと同じ図を表示しています。平年値が変わった場合などには図を再作成することがあるため、解説内容と齟齬が生じることもあります。

このページのトップへ