日本の年の天候 ------------------ 対象期間:

令和5年1月13日 作成

概況


2022年の日本の天候の主な特徴は以下のとおりである。
○年平均気温は全国的に高く、特に北日本でかなり高かった。
○2021年12月〜2022年2月は東・西日本では低温となり、日本海側を中心に大雪となった。
○8月は北・東日本で不順な天候となった。


年間の平均気温、降水量、日照時間は以下のとおりである。

平均気温:北日本でかなり高く、東・西日本と沖縄・奄美で高かった。

年降水量:沖縄・奄美でかなり多く、北日本日本海側と北日本太平洋側で多かった。一方、西日本日本海側でかなり少なく、西日本太平洋側で少なかった。東日本日本海側と東日本太平洋側では平年並だった。

年間日照時間:北・西日本日本海側でかなり多く、北・東・西日本太平洋側と東日本日本海側で多かった。一方、沖縄・奄美でかなり少なかった。
 


年TRS分布図 地域平均気温経過図
年平均気温平年偏差、年降水量平年比、年間日照時間平年比の分布図 地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図

各季節の経過


冬:2021年12月〜2022年2月

○冬の平均気温は東・西日本で低かった。

○北日本日本海側の冬の降水量はかなり多く、降雪量は多かった一方、西日本日本海側と西日本太平洋側の冬の降水量はかなり少なかった。

○冬の日照時間は北・西日本日本海側と北・東・西日本太平洋側で多かった一方、沖縄・奄美で少なかった。

12月後半から、大気上層を流れる高緯度帯の偏西風(寒帯前線ジェット気流)と中緯度帯の偏西風(亜熱帯ジェット気流)がともに日本付近で南に蛇行し、下層では冬型の気圧配置が強まった。このため、日本列島に強い寒気が流れ込みやすかった。冬型の気圧配置は東・西日本を中心に総じて強かったが、本州付近を高気圧がたびたび通過して、強弱を繰り返した。気温は、12月下旬以降に強い寒気の影響を受けた東・西日本で低くなった。

北日本では、12月下旬以降、冬型の気圧配置が強まることも多く、日本海側を中心に記録的な大雪となった所もあったが、低気圧や高気圧が通過して冬型の気圧配置が解消する時期もあり、北海道を中心に晴れた日があった。このため、北日本日本海側は降水量がかなり多い一方で、北日本日本海側と北日本太平洋側の日照時間は多くなった。

東・西日本は、12月下旬以降、断続的に強い冬型の気圧配置となり、北陸地方から山陰地方にかけての日本海側を中心に記録的な大雪となった所もあった。西日本は、平年に比べ低気圧の影響を受けにくく、日本海側・太平洋側ともに、降水量はかなり少なく、日照時間は多くなった。東日本太平洋側でも日照時間は多くなったが、2月に本州南岸を進む低気圧の影響を受けやすい時期があったため、降水量は平年並だった。

沖縄・奄美では、12月下旬以降寒気の影響で雲が広がりやすく、1月下旬から2月にかけては低気圧や前線の影響を受けやすかったため、降水量は多く、日照時間は少なかった。

日本海側の冬の降雪量は、12月下旬以降の冬型の気圧配置の強まりのほか、低気圧の影響も受けやすかった北日本日本海側で多かった。東・西日本日本海側では平年並だったが、たびたび強い寒気が流入したため、新潟県津南で2月24日に419cmの積雪を記録したほか、全国331地点中12地点で最深積雪の記録を更新するなど、北・東・西日本の日本海側を中心に、記録的な大雪となった所もあった。


平均気温:東・西日本で低かった。北日本と沖縄・奄美では平年並だった。

降水量:北日本日本海側でかなり多く、沖縄・奄美で多かった。一方、西日本日本海側と西日本太平洋側でかなり少なかった。北・東日本太平洋側と東日本日本海側で平年並だった。

日照時間:北・西日本日本海側と北・東・西日本太平洋側で多かった。一方、沖縄・奄美で少なかった。東日本日本海側では平年並だった。



春:3月〜5月

○春の平均気温は全国的に高く、特に北・西日本でかなり高かった。

○春の降水量は沖縄・奄美でかなり多かった。

○春の日照時間は北・東日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多かった。

北・東・西日本では、3月は北日本付近を繰り返し低気圧が通過した一方、東・西日本は移動性高気圧に覆われやすかった。4月から5月にかけては本州南岸付近を低気圧や前線が通過して東・西日本太平洋側を中心に曇りや雨の日が多い時期があったが、北日本を中心に高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かった。このため、春の降水量は北・東・西日本日本海側と北日本太平洋側で少なかった一方、東日本太平洋側で多かった。また、日照時間は北・東日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多く、西日本日本海側で多かった。

沖縄・奄美では、3月から4月にかけては高気圧に覆われやすく、気圧の谷や湿った空気の影響を受けにくかったが、5月は梅雨前線や湿った空気の影響を受けやすく、曇りや雨の日が続いた。このため、春の降水量はかなり多く、日照時間は少なかった。

気温は、3月から4月にかけて全国的に寒気の影響を受けにくく、暖かい空気が流れ込みやすかったことに加え、晴れて気温が上がった日もあり、平年を上回る日が多かった。また、5月は北日本を中心に暖かい空気が流れ込みやすかった。春の平均気温は全国的に高く、特に北・西日本でかなり高かった。


平均気温:北・西日本でかなり高く、東日本と沖縄・奄美で高かった。

降水量:北・東・西日本日本海側と北日本太平洋側で少なかった。一方、沖縄・奄美でかなり多く、東日本太平洋側で多かった。西日本太平洋側では平年並だった。

日照時間:北・東日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多く、西日本日本海側で多かった。一方、沖縄・奄美で少なかった。東・西日本太平洋側では平年並だった。



夏:6月〜8月

○夏の平均気温は全国的に高く、特に東・西日本と沖縄・奄美でかなり高かった。

○夏の降水量は北日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多かった。

○東北北部・南部と北陸地方では梅雨明けが特定できなかった。

夏の平均気温は全国的に高かった。特に、東・西日本と沖縄・奄美では夏を通して暖かい空気に覆われやすかったため平均気温がかなり高く、西日本では平年差+0.9℃となり、1946年の統計開始以降、1位タイの高温を記録した。盛夏期と比べても強い太平洋高気圧に覆われた6月下旬から7月上旬の高温が顕著で、6月下旬には東・西日本、7月上旬には北日本で、1946年の統計開始以降、当該旬として1位の記録的な高温となった。全国のアメダス地点で6月以降に観測された猛暑日地点数の積算でも、夏の平均気温が特に高かった年(2010年、2013年、2018年)と比べ、6月下旬から7月初めに猛暑日地点数が大きく増加した。また、7月1日には全国の気象官署とアメダス地点のうち6地点で40℃以上の日最高気温を観測した。

夏の降水量は、8月を中心に6月下旬と7月中旬にも低気圧や梅雨前線などの影響を繰り返し受けた北日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多かった。8月の上・中旬に梅雨前線や湿った空気の影響を受けやすく、曇りや雨の日が多かった東北北部・南部と北陸地方では、梅雨明けが特定できなかった。一方、太平洋高気圧に覆われやすく6月に梅雨前線の影響が弱かった西日本太平洋側では、夏の降水量が少なく、日照時間が多かった。

沖縄・奄美では、特に8月に太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多く、夏の日照時間が多かった。


平均気温:東・西日本と沖縄・奄美でかなり高く、北日本で高かった。

降水量:北日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多く、東日本日本海側と東日本太平洋側で多かった。一方、西日本日本海側と西日本太平洋側で少なかった。沖縄・奄美では平年並だった。

日照時間:北日本太平洋側で少なかった。一方、西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。北・東・西日本日本海側と東日本太平洋側では平年並だった。



秋:9月〜11月

○秋の平均気温は全国的にかなり高かった。

○秋の降水量は北日本太平洋側でかなり少なかった一方、沖縄・奄美でかなり多かった。

○秋の日照時間は北・東・西日本日本海側でかなり多かった一方、沖縄・奄美でかなり少なかった。

北・東・西日本では秋の後半を中心に西高東低の冬型の気圧配置が現れにくく寒気の影響が弱かったことや、高気圧に覆われて晴れの日が多かったため、秋の日照時間は北・東・西日本日本海側でかなり多く、北・東・西日本太平洋側で多かった。また、秋の降水量は、高気圧に覆われる日が多かったことや低気圧や前線の影響を受けにくかったことから、北日本太平洋側でかなり少なかった。東・西日本では、9月は台風第11号、台風第14号、台風第15号の影響で記録的な大雨や大荒れとなった所があった。

沖縄・奄美では、9月と10月に台風の影響をたびたび受け、また10月中旬以降は前線や湿った空気の影響を受けやすく曇りや雨の日が多かったため、秋の降水量はかなり多く、日照時間はかなり少なかった。

気温は、9月は北・東・西日本を中心に暖かい空気に覆われやすく、残暑が厳しかった。10月は強い寒気が流れ込んだ時期があったため、東日本で低温となり、全国的に気温の変動が大きかった。11月は寒気の影響が弱く、低気圧の前面で南から暖かい空気が流れ込んだ時期もあったため全国的に高温となった。このため、秋の平均気温は全国的にかなり高かった。


平均気温:全国的にかなり高かった。

降水量:沖縄・奄美でかなり多かった。一方、北日本太平洋側でかなり少なく、北・東日本日本海側で少なかった。東・西日本太平洋側と西日本日本海側では平年並だった。

日照時間:北・東・西日本日本海側でかなり多く、北・東・西日本太平洋側で多かった。一方、沖縄・奄美でかなり少なかった。


年間の台風の発生数は25個(平年値25.1個)だった。7月までの発生数は6個(平年値7.8個)だったが、8月以降は19個(平年値17.3 個)発生した。日本への接近数は11個(平年値11.7個)だった。9月に6個の台風が接近し、9月としては1966年以来の接近数となった。日本への上陸数は3個(平年値3.0個)だった。

※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。

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