日本の年の天候 ------------------ 対象期間:

概況


2014年の日本の天候の主な特徴は以下のとおりである。
○年平均気温は、全国で平年並だった。
○北・東日本太平洋側と東日本日本海側では、春と秋に高気圧に覆われて晴れる日が多く、年間日照時間はかなり多かった。
○太平洋高気圧の西日本方面への張り出しが弱く、西日本は、2003年以来11年ぶりに冷夏となり、夏の日照時間もかなり少なかった。
○2つの台風や前線、湿った気流の影響で広範囲で大雨となり、平成26年8月豪雨が発生した。
○太平洋側では2月に2度の大雪に見舞われ、関東甲信地方を中心に記録的な大雪となった。

年間の平均気温、降水量、日照時間は以下のとおりである。

平均気温:全国で平年並だった。

年降水量:北日本と東日本日本海側、西日本太平洋側で多かった。一方、沖縄・奄美では少なく、西表島(沖縄県)では年降水量の少ない方からの1位の値を更新した。東日本太平洋側と西日本日本海側では平年並だった。

年間日照時間:北日本太平洋側と東日本でかなり多く、北日本日本海側では多かった。室蘭(北海道)、仙台(宮城県)、熊谷(埼玉県)など6地点では、年間日照時間の多い方からの1位の値を更新した。一方、西日本では少なかった。沖縄・奄美では平年並だった。
 


年TRS分布図 地域平均気温経過図
年平均気温平年偏差、年降水量平年比、年間日照時間平年比の分布図 地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図

各季節の経過


冬:2013年12月〜2014年2月

○東日本と沖縄・奄美は寒冬となり、東日本では3年連続となった。

○日本海側は一部を除いて降雪量が少ない一方、太平洋側では2度の大雪に見舞われ、関東甲信地方を中心に記録的な大雪となった。

東日本と沖縄・奄美では、一時期を除いて寒気に覆われることが多く、冬の平均気温は低くなり、東日本では3年連続の寒冬となった。一方、前年12月の気温が高かった北日本と1月下旬に気温がかなり高くなった西日本では平年並だった。一方で、上空の強い寒気の南下は一時的だったことから、日本海側の降雪量は北日本の山沿い等を除いて平年を下回ったところが多く、特に北陸地方の平地では平年を大きく下回った。また、2月には低気圧が発達しながら日本の南岸を2度通過し、太平洋側では広い範囲で大雪となり、特に14日から16日にかけては、関東甲信地方を中心に過去の最深積雪の記録を大幅に上回る記録的な大雪となった。


平均気温:東日本、沖縄・奄美で低かった。北日本、西日本は平年並だった。

降水量:北日本、東・西日本太平洋側で多かった。一方、東日本日本海側では少なかった。西日本日本海側、沖縄・奄美は平年並だった。

日照時間:東・西日本太平洋側、沖縄・奄美で多かった。北日本、東・西日本日本海側は平年並だった。



春:3月〜5月

○北日本から西日本にかけて、高気圧に覆われて晴れる日が多く、日照時間がかなり多かった。

○平均気温は、東・西日本で高く、沖縄・奄美で低かった。

北日本から西日本にかけては、期間を通して高気圧に覆われる日が多かった。春の日照時間は沖縄・奄美を除いてかなり多く、東日本日本海側、東日本太平洋側、西日本日本海側では、統計を開始した1946年以降最も多かった。また、春の降水量は、北日本日本海側と西日本では少なかったが、低気圧の通過時にまとまった降水があったことから、北日本太平洋側と東日本は平年並だった。東・西日本では、寒気が南下し低温となる時期もあったが、3月下旬と5月下旬に南から暖かい空気が流れ込み、気温が平年を大幅に上回ったことなどから、春の平均気温は高かった。沖縄・奄美では、冷涼な高気圧や寒気の影響を受けて気温の低い日が多く、春の平均気温は低かった。


平均気温:東・西日本では高かった。一方、沖縄・奄美では低かった。北日本は平年並だった。

降水量:北日本日本海側、西日本で少なかった。北日本太平洋側、東日本、沖縄・奄美は平年並だった。

日照時間:北・東・西日本でかなり多かった。沖縄・奄美は平年並だった。



夏:6月〜8月

○西日本では11年ぶりの冷夏となり、日照時間もかなり少なかった。

○梅雨前線の影響は沖縄・奄美を除いて小さかったが、「平成26年8月豪雨」が発生し、北日本と西日本太平洋側では降水量がかなり多かった。

梅雨前線の影響は沖縄・奄美を除いて弱かったが、7月30日以降、2つの台風や前線等の影響で広い範囲で大雨に見舞われたことから(「平成26年8月豪雨」)、北日本、西日本太平洋側では夏の降水量がかなり多く、東・西日本日本海側でも多かった。また、西日本では、気圧の谷の影響と太平洋高気圧の張り出しが弱かった影響で、夏の日照時間がかなり少なく、夏の平均気温は、2003年以来11年ぶりに低く、冷夏となった。一方、日本の東海上で高気圧が強かった影響で、高気圧周辺の南からの暖かい空気が流れ込んだ北・東日本および暖かい空気に覆われることが多かった沖縄・奄美の夏の平均気温は高く、北・東日本では5年連続の暑夏となった。


平均気温:北・東日本、沖縄・奄美で高かった。一方、西日本では低かった。

降水量:北日本、西日本太平洋側ではかなり多く、東・西日本日本海側で多かった。東日本太平洋側と沖縄・奄美では平年並だった。

日照時間:西日本ではかなり少なく、東日本日本海側と沖縄・奄美で少なかった。一方、北日本日本海側で多く、北・東日本太平洋側では平年並だった。



秋:9月〜11月

○北日本と東日本日本海側では、高気圧に覆われて晴れる日が多く、日照時間がかなり多かった。

○沖縄・奄美では、9月が記録的な高温となったほか、先島諸島では夏以降の少雨が継続した。

北日本から東日本にかけて、大陸からの移動性高気圧に覆われて、晴れる日が多かった。このため、東日本日本海側と北日本の秋の日照時間はかなり多く、東日本日本海側と東北地方では1946年の統計開始以来、秋としては最も多い記録を更新した。北日本と東日本では、2010年から4年連続で秋の平均気温が高い年が続いていたが、9月を中心に大陸からの冷たい空気を伴った高気圧に覆われる日が多かったため、5年ぶりに秋の平均気温は平年並となった。また、沖縄・奄美では、先島諸島を中心に高気圧の勢力が平年より強かったため、秋の平均気温がかなり高く、秋の降水量は少なかった。


平均気温:沖縄・奄美でかなり高かった。北・東・西日本は平年並だった。

降水量:北日本と沖縄・奄美で少なかった。東・西日本は平年並だった。

日照時間:北日本と東日本日本海側でかなり多く、東日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。西日本では平年並だった。


 年間の台風発生数は23個(平年25.6個)で平年より少なかった。台風の日本への接近数は12個(平年値11.4個)、本土への接近数は5個(平年値5.5個)でともに平年並だった。日本への上陸数は台風第8号、第11号、第18号、第19号の4個(平年値2.7個)で平年を上回り、最近10年で最も多かった。

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