北海道には「梅雨がない」と一般的に言われています。
なぜ、そのように言われているのか“降水量”と“晴れ”の関係から見てみました。
<日降水量>図1左のグラフは、主な地点における5~8月の日降水量の平年の推移を示しています。
仙台や東京、鹿児島では6月から7月にかけて大きなピークが現れています。
一方、北海道の各地点では7月中頃に小さなピークがありますが不明瞭です。
また、梅雨のある各地に比べて降水量も少なくなっています。
<晴れる日>図1右のグラフは、同様に晴れ日(日照率40%以上)の出現率の平年値です。
仙台や東京、鹿児島では6月から7月の中頃にかけて、大きく晴れ日の出現率が下がっています。
一方、札幌と網走では7月中頃に下がっていますが度合いは小さく、また、期間も短いことが分かります。
北海道では、7月中旬頃に前線や低気圧の影響を時々受けて、曇天や雨の日が多くなりますが、本州に比べ梅雨と呼ぶには非常に不明瞭です。
《コラム》盛夏期前の曇・雨天

図1 主な地点における日降水量(左)と、晴れ日の出現率(右)の平年値(統計期間1991~2020年)
日降水量は日別平年値から、晴れ日の出現率は日照率40%以上となる確率の日別平年値から作成
※釧路の晴れ日の出現率は、5月中頃から下がりその後も継続していますが、釧路沖で発生した海霧が流れ込みやすいためで、梅雨に伴って現れる曇・雨天を反映したものではありません。