日本近海の海面水温(月概況)

平成28年12月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2016年11月)

  • オホーツク海南部、北海道西方では、海面水温が平年よりかなり低く、釧路沖では平年より低くなっていました(図中A)。
  • 四国沖、東シナ海南部、沖縄の南、沖縄の東、九州西方では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。
  • 三陸沖、檜山・津軽沖、北海道東方、関東の東では、海面水温が平年より高くなっていました(図中C)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年11月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年11月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部、北海道西方では、海面水温が平年よりかなり低く、釧路沖では平年より低くなっていました(図中A)。これらの海域では、11月上旬や下旬に、冬型の気圧配置となることが多く、寒気の影響を受けたため、海面水温が平年より低くなりました。

四国沖、東シナ海南部、沖縄の南、沖縄の東、九州西方では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。これらの海域では、11月上旬の寒気の影響で、海面水温が平年より大きく低下し、平年よりかなり高い海域は縮小しました。 11月中旬には、四国沖、東シナ海南部、九州西方では暖かく湿った空気の影響を受け、沖縄の南、沖縄の東では高気圧に覆われて平年より風が弱く日射量が多くなりました。そのため、11月下旬には、海面水温が平年よりかなり高い海域は再び拡大しました。

三陸沖、檜山・津軽沖、北海道東方、関東の東では、下層の暖水の影響で、引き続き、海面水温が平年より高くなっていました(図中C)。三陸沖では平年よりかなり高い海域もみられました。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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