日本近海の海面水温(月概況)

平成28年8月22日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2016年7月)

  • 釧路沖、本州東方では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。
  • 秋田沖から日本海南部では、海面水温が平年より高くなっていました(図中B)。
  • 東シナ海北部では、海面水温が平年より高くなっていました(図中C)。
  • 日本の南の北緯25度から北緯33度では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中D)。
  • 東シナ海南部、沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中E)。
  • 日本の南から南鳥島近海にかけての北緯25度以南では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中F)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年7月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年7月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

釧路沖、本州東方では、暖水渦や黒潮系暖水の影響により、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。

秋田沖から日本海南部では、海面水温が平年より高くなっていました(図中B)。

東シナ海北部では、6月末に海面水温が平年並でしたが、7月上旬に平年より日射量が多く暖かく湿った空気が流れ込み、下旬に平年より日射量が多く風が弱かったため、7月末に海面水温が平年よりかなり高くなっていました。7月全体としては、海面水温が平年より高くなっていました(図中C)。

日本の南の北緯25度から北緯33度では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中D)。

東シナ海南部、沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中E)。これらの海域では、6月下旬から海面水温が平年よりかなり高く、7月7日〜8日にかけて沖縄の南を西北西へ進んだ台風第1号の影響で中旬は海面水温が平年並でしたが、下旬に平年より風が弱く日射量が多かったため海面水温が平年よりかなり高くなりました。そのため、沖縄の南では、7月の平均海面水温が、1982年以降で最も高くなりました。

日本の南から南鳥島近海にかけての北緯25度以南では、7月中旬に平年より風が弱く日射量が多く、下旬に風が弱かった影響で、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中F)。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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