日本近海の海流(月概況)

平成28年2月22日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2016年1月)

  • 黒潮は、1月を通して沖縄の北西160〜170km付近を流れていました。都井岬、足摺岬では1月上旬は接岸し、中旬と下旬は離岸して流れていました。室戸岬では1月中旬の一時期を除き離岸して流れていました。潮岬では1月を通して接岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、1月上旬は北緯32.5度、東経140度付近、中旬は北緯33度、東経139度付近、下旬は北緯32.5度、東経138度付近となっていました。伊豆諸島付近では、1月上旬は八丈島の南を、中旬と下旬は八丈島付近を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、1月上旬は東経148度以東、中旬は北緯41度、東経148度付近でした。1月下旬は分枝構造がみられ、沿岸寄りの分枝の南限位置は、北緯41.5度、東経145度付近、沖合の分枝の南限位置は北緯40.5度、東経147.5度付近でした。親潮の面積は、1月を通して平年よりかなり小さくなっていました。親潮の面積は、2015年5月以降、平年よりかなり小さい状態が続いています。
  • 対馬暖流の勢力は、1月を通して平年並の状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2016年1月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2016年1月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2016年1月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 160km付近 160km付近 170km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.2度、東南東 北緯30.1度、南東 北緯29.7度、南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 一時接岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯32.5度、東経140度 北緯33度、東経139度 北緯32.5度、東経138度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島の南 八丈島付近 八丈島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 沖縄の南では、1月上旬は北緯21.5度、東経126.5度付近、中旬は北緯21.5度、東経126度付近、下旬は北緯21.5度、東経125.5度付近に暖水域がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2016年1月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 東経148度以東(北緯41.5度、東経148.5度付近) 北緯41度、東経148度付近(図中A) 北緯41.5度、東経145度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし なし 北緯40.5度、東経147.5度付近
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない 特にみられない 特にみられない
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143度付近(平年並)(図中B) 東経142.5度付近(平年より西) 東経143度付近(平年並)(図中B)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯37度付近(平年並)(経度は東経147度付近) 北緯36.5度付近(平年より南)(経度は東経143.5度付近)(図中C) 北緯36度付近(平年より南)(経度は東経143.5度付近)
その他の日本の東の海流 三陸沖から釧路沖では、1月上旬は北緯40度、東経143.5度から北緯41度、東経145.5度にかけて、中旬は北緯41度、東経144度付近、下旬は北緯40.5度、東経145度付近に暖水域がみられた
日本海の海流 対馬暖流は1月を通して、山陰沖を北東に流れ、北緯39度、東経136度付近からは南南東に流れていた
能登半島の北からは北東に流れ、佐渡島の北からは北西に流れ、北緯40度付近からは東北東に流れて津軽海峡に達していた
朝鮮半島東岸では時計回りの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年並 平年並

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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