日本近海の海流（月概況）

平成27年10月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断（2015年9月）

  • 黒潮は、9月を通して沖縄の北西170〜190km付近を流れていました。都井岬と潮岬では9月を通して接岸して流れていました。足摺岬では9月上旬は離岸、中旬と下旬は接岸して、室戸岬では上旬は接岸、中旬と下旬は離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、9月上旬と中旬は北緯31.5度、東経140度付近、下旬は北緯32度、東経140度付近となっていました。伊豆諸島付近では、9月を通して八丈島の南を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、 9月を通して東経148度以東に後退していました。親潮の面積は、9月を通して平年よりかなり小さくなっていました。親潮の面積は、5月以降、平年よりかなり小さい状態が続いています。
  • 対馬暖流の勢力は、9月を通して平年より弱い状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2015年9月）
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2015年9月）

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2015年9月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1：沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離（※1） 190km付近 180km付近 170km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度／向き（※1） 北緯30.1度、南東 北緯30.1度、南東 北緯29.7度、南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 接岸 接岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置（※2） 北緯31.5度、東経140度 北緯31.5度、東経140度 北緯32度、東経140度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置（※1） 八丈島の南 八丈島の南 八丈島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 沖縄の東では、9月上旬に北緯27.5度、東経131度付近に冷水域がみられた
先島諸島の南では、中旬から下旬に北緯23度、東経124度付近に暖水渦がみられた
沖縄の南では、9月を通して北緯24.5度、東経129.5度付近に暖水域がみられた
奄美群島の東では、下旬に北緯28.5度、東経133度付近に暖水域がみられた

（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

　

日本の東と日本海の海流

2015年9月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2：日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置（※3） 東経148度以東に後退(北緯41度、東経149.5度付近) 東経148度以東に後退(北緯41.5度、東経150.5度付近) 東経148度以東に後退(北緯41.5度、東経151度付近)(図中A)
親潮の沖合の分枝の南限位置（※3） なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯42度、東経143.5度付近、北緯40.5度、東経144.5度付近、および北緯39度、東経146度付近付近 北緯41.5度、東経143.5度付近、北緯41度、東経144度付近、および北緯40度、東経145度付近 北緯42度、東経143.5度付近、北緯40.5度、東経143.5度付近
親潮の面積（※4） 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度（※5） 東経143度付近（平年並）(図中B) 東経143度付近（平年並）(図中B) 東経143度付近（平年より西）(図中B)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度（※6） 北緯36度付近（平年より南）（経度は東経142.5度付近） 北緯36.5度付近（平年より南）（経度は東経142度付近）(図中C) 北緯37度付近（平年並）（経度は東経144.5度付近）
その他の日本の東の海流 釧路沖では、9月上旬は北緯41.5度、東経145.5度付近、中旬は北緯42度、東経145.5度付近、下旬は北緯41.5度、東経146度付近に暖水域がみられた
三陸沖では、9月上旬は北緯38.5度、東経144.5度付近、中旬は北緯39度、東経144度付近、下旬は北緯38.5度、東経143度付近に暖水域がみられた
日本海の海流 対馬暖流は9月を通して、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北東からは北に流れ、北緯38.5度付近から東〜南東に流れていた
能登半島の北では北に流れ、北緯39.5度付近から東に流れ、東経138度付近からは北東に流れて、津軽沖に達していた
山陰沖東部から能登半島西方にかけて反時計回りの流れがみられた
朝鮮半島東岸では北向きの流れがみられた
対馬暖流の勢力（※7） 平年より弱い 平年より弱い 平年より弱い

（※）が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

　

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