日本近海の海面水温(月概況)

平成29年11月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2017年10月)

  • 北海道西方、オホーツク海南部では、海面水温がおおむね平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中A)。
  • 襟裳岬の南方海域、三陸沖から常磐沖の東経143度以西では、海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中B)。
  • 日本海中部では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中C)。
  • 日本海南部、東シナ海北部、四国沖では、海面水温が広い範囲で平年より高く、屋久島西方、種子島近海では、平年よりかなり高くなっていました(図中D)。
  • 東海沿岸から伊豆諸島北部にかけて、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中E)。
  • 東海沖では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中F)。
  • 東シナ海南部、沖縄の東、沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中G)。
  • 父島近海、南鳥島近海の北緯27度以南では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中H)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2017年10月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2017年10月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

北海道西方、オホーツク海南部では、海面水温がおおむね平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中A)。

襟裳岬の南方海域、三陸沖から常磐沖の東経143度以西では、下層の冷水の影響で、海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中B)。

日本海中部では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中C)。

日本海南部、東シナ海北部、四国沖では、海面水温が広い範囲で平年より高く、屋久島西方、種子島近海では、平年よりかなり高くなっていました(図中D)。日本海南部、東シナ海北部では、台風第21号、台風第22号の影響で、下旬に海面水温が平年より高い海域が縮小しました。

東海沿岸から伊豆諸島北部にかけて、黒潮から分かれた暖水の影響により、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中E)。

東海沖では、冷水渦の影響に加え下旬の台風第21号と台風第22号の影響により、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中F)。

東シナ海南部、沖縄の東、沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中G)。これらの海域では、上旬は日射量が平年より多かった影響で、中旬は暖かく湿った空気の影響で、海面水温が広い範囲で平年よりかなり高くなっていましたが、下旬は、台風第21号、台風第22号の影響で平年よりかなり高い海域が縮小しました。東シナ海南部、沖縄の南では、10月として、月平均海面水温が1982年以降で最も高くなりました。

父島近海、南鳥島近海の北緯27度以南では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中H)。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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