海面水温・海流(北海道周辺海域)

令和2年6月10日発表
札幌管区気象台

診断(2020年6月上旬)

  • 北海道周辺の海面水温は、網走沖と北海道東方で、平年より高い海域が拡大しました。釧路沖では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられます。
  • 親潮の南限位置は、北緯42度、東経143.5度付近にあります。
  • 親潮の面積は、平年よりかなり小さい状態が続いています。
  • 津軽暖流の東端は、平年並となっています。
  • 釧路沖の北緯40.5度、東経145.5度付近に暖水渦がみられます。
  • 檜山沖から積丹半島沖にかけて、北に向かう流れがみられます。

北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(6月9日)
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(6月9日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。北海道周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

北海道周辺の海面水温は、網走沖では、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。北海道東方では、暖かく湿った空気の影響により、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。釧路沖では、暖水渦の影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられます。日本海では、引き続き海面水温が平年より高い海域が広くみられます。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、北海道周辺の海面水温は、オホーツク海では、平年並か平年より高いでしょう。日本海および釧路沖から北海道東方にかけては、平年より高いか、かなり高い見込みです。

海流の実況と見通し

2020年6月上旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 北緯42度、東経143.5度付近 北緯40度、東経147.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯39.5度、東経144度付近
親潮の面積(※2 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※3 東経143度付近(平年並)
日本の東のその他の顕著な現象 釧路沖の北緯40.5度、東経145.5度付近に暖水渦がみられる
日本海の海流 檜山沖から積丹半島沖にかけて、北に向かう流れがみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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