海面水温・海流(北海道周辺海域)
令和2年4月10日発表
札幌管区気象台
診断(2020年4月上旬)
- 北海道周辺の海面水温は、太平洋と津軽沖では引き続き平年よりかなり高い海域がみられます。
- 親潮の南限位置は、北緯42度、東経143.5度付近にあります。
- 親潮の面積は、平年よりかなり小さくなっています。
- 津軽暖流の東端は、平年より東になっています。
- 釧路沖の北緯40.5度、東経145.5度付近に暖水渦がみられます。
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(4月9日)
解説
海面水温
北海道周辺の海面水温は、太平洋では下層の暖水の影響で引き続き平年よりかなり高い海域がみられます。北海道東方では海面水温が平年より高い海域がみられなくなりました。襟裳岬の南では親潮の影響で海面水温が平年より低い海域がみられるようになりました。
留萌沖では海面水温が平年よりかなり高い海域がみられなくなりましたが、平年より高い状態が続いています。津軽沖では引き続き海面水温が平年よりかなり高い海域がみられます。北海道西方では平年より日射量が少なかったため、海面水温が平年よりかなり低い海域が拡大しました。
- 参考図:北海道周辺海域の海面水温分布図(4月9日)
- 参考図:北海道周辺海域の10日間の海面水温変化量分布図(4月9日)
- 参考図:北海道周辺海域の深さ50mの海流分布図(4月9日)
- 参考図:北海道周辺海域の深さ100mの水温分布図(4月9日)
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、北海道周辺の海面水温は、日本海では平年並ですが、留萌沖と津軽沖では平年より高い見込みです。釧路沖では平年よりかなり高く、北海道東方では平年並でしょう。
海流の実況と見通し
2020年4月上旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1) 北緯42度、東経143.5度付近 北緯39.5度、東経147度付近 親潮の沖合の分枝の南限位置(※1) なし なし その他の親潮系冷水の位置 特にみられない - 親潮の面積(※2) 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 津軽暖流の東端の経度(※3) 東経142.5度付近(平年より東) - 日本の東のその他の顕著な現象 釧路沖の北緯40.5度、東経145.5度付近に暖水渦がみられる - 日本海の海流 顕著な流れはみられない - (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考図:北海道周辺海域の深さ50mの海流分布図(4月9日)
- 参考図:北海道周辺海域の深さ100mの水温分布図(4月9日)
- 参考図:親潮の面積の時系列図
- 参考図:東北周辺海域の深さ50mの海流分布図(4月9日)
- 参考図:東北周辺海域の深さ100mの水温分布図(4月9日)
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。