海面水温・海流(北海道周辺海域)
令和元年9月10日発表
札幌管区気象台
診断(2019年9月上旬)
- 北海道周辺の海面水温は、平年より高い海域が拡大し、広い範囲で平年よりかなり高くなっています。
- 親潮の南限位置は、北緯41.5度、東経143.5度付近にあります。
- 親潮の面積は、平年より小さくなりました。
- 津軽暖流の東端は、平年並になりました。
- 北海道南東方の北緯40.5度、東経146度付近に暖水渦がみられます。
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(9月9日)
解説
海面水温
北海道周辺の海面水温は、平年より高い海域が拡大し、広い範囲で平年よりかなり高くなっています。オホーツク海では、海面水温が平年よりかなり低い海域や平年より低い海域はみられなくなり、日本海では、海面水温が平年よりかなり低い海域はみられなくなり、平年より低い海域は縮小しました。これらの要因は、平年より日射量が多かったことと暖かく湿った空気の影響や太平洋では平年より風が弱かったことによると考えられます。
- 参考図:北海道周辺海域の海面水温分布図(9月9日)
- 参考図:北海道周辺海域の10日間の海面水温変化量分布図(9月9日)
- 参考図:北海道周辺海域の深さ50mの海流分布図(9月9日)
- 参考図:北海道周辺海域の深さ100mの水温分布図(9月9日)
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
海面水温の今後の見通し
向こう一か月、北海道周辺の海面水温は、オホーツク海では平年より高いか、かなり高いでしょう。日本海、太平洋では、海面水温が平年よりかなり高い見込みです。
海流の実況と見通し
2019年9月上旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1) 北緯41.5度、東経143.5度付近 北緯40.5度、東経147度付近 親潮の沖合の分枝の南限位置(※1) なし なし その他の親潮系冷水の位置 北緯40度、東経143.5度付近、北緯39度、東経143度付近 - 親潮の面積(※2) 平年より小さい 平年並か平年より小さい 津軽暖流の東端の経度(※3) 東経143度付近(平年並) - 日本の東のその他の顕著な現象 北海道南東方の北緯40.5度、東経146度付近に暖水渦がみられる - 日本海の海流 顕著な流れはみられない - (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考図:北海道周辺海域の深さ50mの海流分布図(9月9日)
- 参考図:北海道周辺海域の深さ100mの水温分布図(9月9日)
- 参考図:親潮の面積の時系列図
- 参考図:東北周辺海域の深さ50mの海流分布図(9月9日)
- 参考図:東北周辺海域の深さ100mの水温分布図(9月9日)
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。