海面水温・海流(北海道周辺海域)

平成30年3月9日発表
札幌管区気象台

診断(2018年3月上旬)

  • 北海道周辺の海面水温は、平年より高い海域が縮小しましたが、釧路沖では、引き続き平年よりかなり高い海域がみられます。
  • 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置は、北緯39.5度、東経142度付近にあります。
  • 親潮の沖合いの分枝の南限位置は、北緯40度、東経146.5度付近にあります。
  • 親潮の面積は、平年より小さくなりました。
  • 津軽暖流の東端は、平年より東となっています。
  • 釧路沖の北緯42.5度、東経146.5度付近に暖水域、北緯40.5度、東経145.5度付近に暖水渦がみられます。
  • 檜山沖には、北へ向かう流れがみられます。

北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(3月8日)
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(3月8日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。北海道周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

北海道周辺の海面水温は、日本海では平年より風が強く、日射量が少なかったため、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。北海道東方では、下層の冷水の影響で海面水温が平年よりかなり低い海域がみられるようになりました。一方、釧路沖では、下層の暖水の影響で海面水温が平年よりかなり高い海域が引き続きみられます。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、北海道周辺の海面水温は、日本海では平年より低いでしょう。太平洋では平年並か平年より高い見込みです。

海流の実況と見通し

2018年3月上旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 北緯39.5度、東経142度付近 北緯40.5度、東経143.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 北緯40度、東経146.5度付近 北緯39.5度、東経146度付近
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない
親潮の面積(※2 平年より小さい 平年並か、平年より小さい
津軽暖流の東端の経度(※3 東経143.5度付近(平年より東)
日本の東のその他の顕著な現象 釧路沖の北緯42.5度、東経146.5度付近に暖水域が、北緯40.5度、東経145.5度付近に暖水渦が、それぞれみられる
日本海の海流 檜山沖には、北に向かう流れがみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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