海面水温・海流(北海道周辺海域)

平成28年10月31日発表
札幌管区気象台

診断(2016年10月下旬)

  • 北海道周辺の海面水温は、広い範囲で平年より低いか、かなり低くなりました。一方、北海道東方と檜山・津軽沖では、海面水温が平年よりかなり高い海域が引き続きみられます。
  • 親潮の南限位置は、引き続き東経148度以東にあります。
  • 親潮の面積は、平年よりかなり小さい状態となっています。
  • 津軽暖流の東端は、平年並となっています。
  • 北海道東方の北緯42.5度、東経148度付近に暖水渦がみられます。
  • 日本海では、檜山沖に時計回りの流れがみられます。

北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(10月30日)
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(10月30日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。北海道周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

北海道周辺の海面水温は、広い範囲で平年より低いか、かなり低くなりました。これは強風や寒気の影響で、平年より海面水温が大きく低下したためと考えられます。一方、北海道東方では暖水渦の影響により、海面水温が平年よりかなり高い海域が引き続きみられます。また、檜山・津軽沖でも海面水温が平年よりかなり高い海域が引き続きみられます。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、北海道周辺の海面水温は、平年並か平年より低いでしょう。北海道東方では、平年より高い海域がみられる見込みです。

海流の実況と見通し

2016年10月下旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 東経148度以東に後退(北緯41.5度、東経149度付近) 東経148度以東に後退
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯42度、東経145.5度付近から北緯40度、東経146.5度付近にかけて
親潮の面積(※2 平年よりかなり小さい 平年より小さいか、かなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※3 東経143.5度付近(平年並)
日本の東のその他の顕著な現象 北海道東方の北緯42.5度、東経148度付近に暖水渦がみられる
日本海の海流 檜山沖では時計回りの流れがみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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