海面水温・海流(東北周辺海域)
平成30年2月9日発表
仙台管区気象台
診断(2018年2月上旬)
- 本州東方の海面水温は、三陸沖や東経145度以東では平年より高い海域が拡大し、平年よりかなり高い海域がみられます。日本海の海面水温は、平年より低い海域が縮小しました。
- 親潮の南限位置は、沿岸寄りの分枝が北緯40.5度、東経144度付近に、沖合の分枝が北緯40.5度、東経147.5度付近にあります。親潮の面積は、平年よりかなり小さくなっています。
- 対馬暖流は、北緯38度、東経137.5度付近から北東に流れ、秋田沖の北緯39.5度、東経139.5度付近から北に流れ、北緯41.5度付近から東に流れ、津軽海峡に達しています。
東北周辺海域の海面水温平年差分布図(2月8日)
解説
海面水温
本州東方の海面水温は、三陸沖や東経145度以東では下層の暖水の影響により、平年より高い海域が拡大し、平年よりかなり高い海域がみられます。襟裳岬の南では親潮の影響により、平年より低い海域が引き続きみられます。常磐沖では下層の冷水の影響により、海面水温が平年より低い海域が引き続きみられます。
日本海の海面水温は、平年より低い海域が縮小し、平年並か平年より低くなっています。
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、本州東方の海面水温は平年並か平年より高いでしょう。日本海の海面水温は平年並か平年より低いでしょう。
海流の実況と見通し
2018年2月上旬の東北周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:東北周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1) 北緯40.5度、東経144度付近 北緯39度、東経145.5度付近 親潮の沖合の分枝の南限位置(※1) 北緯40.5度、東経147.5度付近 なし その他の親潮系冷水の位置 特にみられない - 親潮の面積(※2) 平年よりかなり小さい 平年並か平年より小さい 津軽暖流の東端の経度(※3) 東経143度付近(平年より東) - 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※4) 北緯36度付近(平年より南)(経度は東経143.5度付近) - 日本の東のその他の顕著な現象 釧路沖の北緯41.5度、東経146.5度付近に暖水域が、三陸沖の北緯39度、東経143.5度付近、本州東方の北緯38度、東経146.5度付近に暖水渦が、それぞれみられる - 日本海の海流 対馬暖流は、北緯38度、東経137.5度付近から北東に流れ、秋田沖の北緯39.5度、東経139.5度付近から北に流れ、北緯41.5度付近から東に流れ、津軽海峡に達している - (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。