海面水温・海流(東北周辺海域)
平成29年11月30日発表
仙台管区気象台
診断(2017年11月下旬)
- 本州東方の海面水温は、平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。日本海の海面水温は、平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。
- 親潮の南限位置は、北緯42度、東経148度付近にあります。親潮の面積は、平年より小さくなっています。
- 対馬暖流は、北緯40.5度、東経137.5度付近から南東に流れ、秋田沖の北緯39度、東経139度付近から北に流れ、北緯40.5度付近から北東に流れ、津軽海峡に達しています。
東北周辺海域の海面水温平年差分布図(11月29日)
解説
海面水温
本州東方の海面水温は、平年より風が弱く寒気の影響も受けにくかったため、平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。三陸沖では暖水渦の影響もあり平年より高くなった一方、金華山沖から福島県沖や北緯38度、東経145度付近では下層の冷水の影響で平年よりかなり低い状態が続いています。
日本海の海面水温は、寒気や平年より風が強かった影響で、平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、本州東方の海面水温は平年並でしょう。日本海の海面水温は平年並か平年より低いでしょう。
海流の実況と見通し
2017年11月下旬の東北周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:東北周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1) 北緯42度、東経148度付近 東経 148 度以東に後退 親潮の沖合の分枝の南限位置(※1) なし なし その他の親潮系冷水の位置 北緯42度、東経144度付近、北緯41.5度、東経145.5度付近、北緯40.5度、東経147度付近 - 親潮の面積(※2) 平年より小さい 平年より小さいか、かなり小さい 津軽暖流の東端の経度(※3) 東経143.5度付近(平年並) - 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※4) 北緯37度付近(平年より南)(経度は東経147度付近) - 日本の東のその他の顕著な現象 三陸沖の北緯39度、東経143.5度付近に暖水渦がみられる - 日本海の海流 対馬暖流は、北緯40.5度、東経137.5度付近から南東に流れ、秋田沖の北緯39度、東経139度付近から北に流れ、北緯40.5度付近から北東に流れ、津軽海峡に達している - (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。