海面水温・海流(東北周辺海域)
平成29年10月20日発表
仙台管区気象台
診断(2017年10月中旬)
- 本州東方の海面水温は、概ね平年並か平年より低くなっていますが、三陸沖の東経144度付近では平年より高くなっています。日本海の海面水温は、北緯40度以北では平年より高く、北緯40度以南では概ね平年並となっています。
- 親潮の南限位置は、東経148度以東に後退しています。親潮の面積は平年よりかなり小さくなっています。
- 対馬暖流は、北緯40度、東経137度付近から東へ流れ、東経138度付近から南南東に流れ、秋田沖の北緯39度、東経139度付近から北に流れ、北緯41度付近で津軽海峡に向かう流れと北西に向かう流れに分かれています。
東北周辺海域の海面水温平年差分布図(10月19日)
解説
海面水温
本州東方では、下層の冷水の影響により、襟裳岬から常磐沖にかけて、海面水温が平年よりかなり低い海域が引き続きみられます。一方で、三陸沖の東経144度付近では、下層の暖水の影響により、海面水温が平年より高い海域が引き続きみられます。
日本海の海面水温は、北緯40度以北で下層の暖水の影響により平年より高い状態が続いています。
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、本州東方の海面水温は、平年並でしょう。日本海の海面水温は平年並か平年より高い見込みです。
海流の実況と見通し
2017年10月中旬の東北周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:東北周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1) 東経148度以東に後退(北緯41度、東経151.5度付近) 東経 148 度以東に後退 親潮の沖合の分枝の南限位置(※1) なし なし その他の親潮系冷水の位置 北緯39.5度、東経143度付近、北緯41度、東経144.5度付近、北緯40度、東経147度付近 - 親潮の面積(※2) 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 津軽暖流の東端の経度(※3) 東経143度付近(平年より西) - 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※4) 北緯37度付近(平年より南)(経度は東経143.5度付近) - 日本の東のその他の顕著な現象 本州東方の北緯38.5度、東経144.5度付近に暖水渦が、北海道東方の北緯42度、東経146.5度付近に暖水域が、それぞれみられる - 日本海の海流 対馬暖流は、北緯40度、東経137度付近から東へ流れ、東経138度付近から南南東に流れ、秋田沖の北緯39度、東経139度付近から北に流れ、北緯41度付近で、津軽海峡に向かう流れと北西に向かう流れに分かれている - (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。