海面水温・海流(東北周辺海域)
平成28年12月9日発表
仙台管区気象台
診断(2016年12月上旬)
- 東北周辺海域の海面水温は、平年より高い海域が引き続きみられます。
- 親潮の南限位置は、東経148度以東に後退しています。親潮の面積は、平年より小さい状態が続いています。
- 対馬暖流は、能登半島の北の北緯39度、東経137度付近からは北に流れ、北緯40度付近からは東北東に流れています。秋田沖の北緯40.5度、東経139.5度付近からは北北東に流れて、津軽海峡に達しています。
東北周辺海域の海面水温平年差分布図(12月8日)
解説
海面水温
本州東方の海面水温は、下層の暖水の影響で平年より高い海域が引き続きみられます。三陸沖の東経146度付近では暖水渦の影響で海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。常磐沖では下層の暖水の影響で海面水温が高くなりました。
日本海の海面水温は、津軽沖から秋田沖にかけて平年より風が強かった影響で平年より低い海域が拡大しましたが、下層の暖水の影響で平年より高い海域が引き続きみられます。
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、本州東方の海面水温は平年並か平年より高いでしょう。日本海の海面水温は平年並でしょう。
海流の実況と見通し
2016年12月上旬の東北周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:東北周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1) 東経148度以東に後退(北緯42度、東経150.5度付近) 北緯42度、東経144度付近 親潮の沖合の分枝の南限位置(※1) なし なし その他の親潮系冷水の位置 北緯41度、東経146.5度付近、北緯41度、東経148度付近 - 親潮の面積(※2) 平年より小さい 平年並か平年より小さい 津軽暖流の東端の経度(※3) 東経143度付近(平年並) - 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※4) 北緯38.5度付近(平年並)(経度は東経143.5度付近) - 日本の東のその他の顕著な現象 本州東方の北緯40度、東経145度付近、北緯38.5度、東経146.5度付近に、暖水渦がそれぞれみられる - 日本海の海流 対馬暖流は、能登半島の北の北緯39度、東経137度付近からは北に流れ、北緯40度付近からは東北東に流れている
秋田沖の北緯40.5度、東経139.5度付近からは北北東に流れて、津軽海峡に達している- (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。