海面水温・海流(東北周辺海域)

平成25年11月29日発表
仙台管区気象台

診断(2013年11月下旬)

  • 本州東方の三陸沖の海面水温は、8月中旬以降平年より高い状態が続いています。
  • 親潮の南限位置は、沿岸寄り分枝が北緯41.5度、東経144度付近に、沖合の分枝が北緯40度、東経146.5度付近にあります。親潮の面積は、平年並となっています。
  • 対馬暖流は、佐渡沖にみられる暖水域に沿って北緯40.5度付近を東に向かい、東経139.5度付近からは北に流れ、津軽沖に達しています。また、酒田沖には北東に向かう流れがみられます。

東北周辺海域の海面水温平年差分布図(11月28日)
東北周辺海域の海面水温平年差分布図(11月28日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

本州東方の海面水温は、三陸沖で8月中旬以降平年より高い状態が続いており、平年より2〜3℃高い海域が広がっています。これは、黒潮系の暖水による影響が続いているためと考えられます。一方、金華山沖とその東側の北緯38度、東経144度付近、および親潮の沖合の分枝のみられる北緯39.5度、東経146.5度付近では海面水温が平年より低くなっています。

日本海の海面水温は、酒田沖では平年より1℃高くなっていますが、津軽沖では平年より1℃低くなっています。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、本州東方の海面水温は、平年並でしょう。日本海の海面水温は、平年より高い海域が広がるでしょう。

海流の実況と見通し

2013年11月下旬の東北周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:東北周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 北緯41.5度、東経144度付近 北緯39.5度、東経147度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 北緯40度、東経146.5度付近 なし
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない
親潮の面積(※2 平年並 平年より大きい
津軽暖流の東端の経度(※3 東経143度付近(平年より西)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※4 北緯38度付近(平年並)
日本の東のその他の顕著な現象 北緯39度、東経142.5度付近、北緯37.5度、東経146度付近および北緯42度、東経147度付近に暖水渦がみられる
日本海の海流 対馬暖流は、佐渡沖にみられる暖水域に沿って北緯40.5度付近を東に向かい東経139.5度付近からは北に流れ、津軽沖に達している
また、酒田沖を北東に向かう流れがみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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