海面水温・海流（東北周辺海域）
平成25年5月10日発表
仙台管区気象台
診断（2013年5月上旬）
- 本州東方の海面水温は、三陸沖から常磐沖にかけての海域では、海面水温が平年より低い状態が続いており、東経146度付近では、海面水温が平年より高い状態が続いています。
- 親潮の南限位置は、沿岸寄りの分枝が北緯39.5度、東経142.5度付近、沖合の分枝が北緯39.5度、東経147.5度付近にあります。親潮の面積は、平年より大きくなっています。
- 対馬暖流は、佐渡沖から津軽沖にかけては北北東に流れています。
東北周辺海域の海面水温偏差分布図（5月9日）
海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 偏差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。
この海面水温偏差の図は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。
解説
海面水温
本州東方では、三陸沖から常磐沖にかけての海域で、海面水温が平年より低い状態が続いており、特に宮城県沖や福島県沖では平年より3℃以上低い海域が広がりました。一方、東経146度付近では、海面水温が平年より高い状態が続いています。
日本海の海面水温は、平年より低い状態が続いています。
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、本州東方の海面水温は、三陸沖と常磐沖では平年より低い状態が続くでしょう。東経146度付近では、海面水温が平年より高い状態が続くでしょう。日本海の海面水温は、平年より低いでしょう。
海流の実況と見通し
2013年5月上旬の東北周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表：東北周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し（注） 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置（※1） 北緯39.5度、東経142.5度付近 北緯37度、東経142.5度付近 親潮の沖合の分枝の南限位置（※1） 北緯39.5度、東経147.5度付近 北緯39度、東経147度付近 その他の親潮系冷水の位置 なし - 親潮の面積（※2） 平年より大きい 5月中旬までは平年より大きく、それ以降は平年並 津軽暖流の東端の経度（※3） 東経142度付近（平年より西） − 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度（※4） 北緯37.5度付近（平年より北） − 日本の東のその他の顕著な現象 北緯40.5度、東経146度付近に暖水渦がみられる − 日本海の海流 対馬暖流は、佐渡沖から津軽沖にかけては北北東に流れている
男鹿半島の北西に冷水域がみられる− （注）『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考図：東北周辺海域の深さ50mの海流分布図（5月9日）
- 参考図：東北周辺海域の深さ100mの水温分布図（5月9日）
- 参考図：親潮の面積の時系列図
- 参考図：本州・北海道東方海域の深さ100mの水温分布図（5月9日）
- 参考情報：暖水渦・冷水渦
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。