高原山[たかはらやま] Takaharayama
北緯 36°54′00″ 東経 139°46′36″ 標高 1,795m (釈迦ヶ岳)(三角点・高原山) 北緯 36°57′12″ 東経 139°47′19″ 標高 1,184m (富士山)(三角点) |
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![]() 高原山全景 南東側から 2011年12月15日 気象庁撮影 |
概要
高原山は栃木県北部に位置し、噴出物が東西、南北とも約15kmに分布する総体積約55km3の主として玄武岩質安山岩・安山岩・デイサイトからなる成層火山である。高原山は、北部のカルデラ火山(塩原火山)とその中央火口丘(明神岳,前黒山)、および南部の釈迦ヶ岳、西平岳、鶏頂山、剣が峰などからなる円錐火山(釈迦岳火山)からなる。さらに前黒山北側山麓には西北西-東南東の断裂帯(割目群)に伴う単成火山がある。活動は約50万年前には開始していて、約10万年前頃にはおもな活動を終止させた。この後に長い休止期があったが、約6500年前には北側で割れ目噴火が発生し,割れ目火口の上に富士山溶岩ドームが形成された。構成岩石のSiO2量は51.0~69.0wt.%である。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
最近1万年間の火山活動としては、約6500年前に北麓での水蒸気爆発と降灰(高原-上ノ原テフラ)の活動があって、溶岩ドーム(富士山)の形成があったと推定されている。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 高原山 有史以降の火山活動
歴史時代での噴火記録はないが、富士山近くの新湯では噴気活動がある。また、1979 年2月及び1981~1982 年には地震が群発した。
年代 現象 活動経過・被害状況等 1979(昭和54)年 地震 2月。微小地震が群発。 1981~82(昭和56~57)年 地震 12~1月。微小地震の群発。12月22日に塩原町で震度Ⅳ、軽微な被害あり。 噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考に、文献の追記を行った。
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。