赤城山[あかぎさん] Akagisan
北緯 36°33′37″ 東経 139°11′36″ 標高 1,828m (黒檜山)(三角点) |
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![]() 赤城山全景 前橋市内より 2011年12月10日 気象庁撮影 |
概要
底面の径約25km 大型の成層火山。安山岩の成層火山を形成した後に、約7~5 万年前の間のいずれかにデイサイト火砕流の流出と湯ノ口軽石の噴出によって山頂カルデラ(南北4km×東西3km)を形成した。その後、中央火口丘形成期に入るが、約4~4.5 万年前の間のいずれかに鹿沼軽石が噴火。カルデラ内に小沼・地蔵岳・見晴山などのデイサイト溶岩ドーム、小沼タフリングが形成され、これらの活動は約24000 年前には終了した。大沼はカルデラ内低地の湖。現在、噴気・硫気孔は現存しない。1251年に噴火した記録が残るが古記録と対応する噴出物は発見されていない。構成岩石のSiO2 量は51.5~71.8 wt.% である。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
中央火口丘形成期、すなわち過去5~6 万年から現在に至る間、プリニー式噴火は、4~5万年前の間のいずれかに起きた鹿沼軽石噴火の1 回に限られている。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 赤城山 有史以降の火山活動
年代 現象 活動経過・被害状況等 1251(建長3)年5 月18 日 噴火? 本噴火による噴出物は発見されてない。また、噴火の根拠とされる吾妻鏡の記録は、噴火記録ではなく、山火事であるという主張がある。その一方で、同時期の噴火を記録していると考えられる別の歴史記録も発見・報告されている。
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。