安達太良山[あだたらやま] Adatarayama【常時観測火山】
北緯37°37′59″ 東経140°16′59″ 標高1,709m (鉄山)(測定点) 北緯37°38′50″ 東経140°16′51″ 標高1,728m (箕輪山)(標高点) |
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![]() 安達太良山全景 本宮市内から 2009年2月7日 気象庁撮影 |
概要
福島市の南西に位置する玄武岩~安山岩の成層火山群で、東西9km、南北14km にわたる。山頂部は、北から鬼面山(きめんざん)、箕輪山(みのわやま)、鉄山(てつざん)・安達太良山(本峰(別名:乳首山(ちくびやま、ちちくびやま))、和尚山(おしょうやま)などが南北に連なる。主峰の安達太良本峰の山頂部には西に開く沼ノ平火口(直径1.2 ㎞、深さ150m)がある。明確な記録のある噴火活動は、沼ノ平火口での明治以後の活動に限られる。この火口の内外には、噴気・温泉地帯が諸所に存在する。
安達太良山の主な活動は大規模な火砕流の噴出に始まり、約45~55万年前の鬼面山などの活動を経て、約35万年前の前ヶ岳を中心とした活動へと続いている。約25万年前に箕輪山から和尚山にかけての火山列主要部が形成された。この時期におけるマグマ噴出率は最大であって、1000年あたり0.1km3と見積もられる。約12万年前以降から約3万年前まで1~2万年間隔で小規模なマグマ噴出が繰り返された。1万年前からはマグマ噴火ないし水蒸気噴火の繰り返しとなり、最新のマグマ噴出活動は 約2400年前であった。玄武岩~安山岩のSiO2量は52.0~62.0 wt.% である。
別名、岳山(だけやま)。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
最近1万年間ではマグマ噴出量107m3前後の中噴火が500~1500年間隔で発生し、最後のマグマ噴火は約2400年前に発生している。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 安達太良山 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編,2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付加している。詳しくはこちらを参照のこと。
火山観測
気象庁では、地震計、傾斜計、空振計、GNSS、監視カメラを設置し、関係機関の協力の下、安達太良山の火山活動の監視・観測を行っています。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
- 安達太良山の噴火警戒レベル(PDF)
火山活動解説資料
- 安達太良山の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。