福江火山群[ふくえかざんぐん] Fukue Volcanoes
北緯32°39′24″ 東経128°50′56″ 標高315m (鬼岳)(標高点・独自に計測) 北緯32°39′37″ 東経128°51′55″ 標高315m (火ノ岳)(三角点・火岳) |
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![]() 鬼岳遠景 2004年9月17日気象庁撮影 | |
![]() 鬼岳火口 2003年8月28日気象庁撮影 |
概要
福江島は長崎県五島列島にあり、北西部の岐宿(きしく)火山、三井楽(みいらく)火山、南東部の福江火山、富江火山から構成される。 福江島では、まず岐宿火山で94~68万年前にアルカリ玄武岩の活動が始まり、その後、約30万年前に三井楽火山、福江火山群でもアルカリ玄武岩が活動した。 最も新しい噴火は、火の岳溶岩の流出である。なお、福江火山群の新期の活動は約9万年前から始まった(永尾・他, 2002)。新期活動は以下のステージに区分されている。 Ⅰ)流動性の高いパホイホイ溶岩を噴出した、Ⅱ)溶岩を大規模に流出し、比高30mの溶岩台地を形成した、Ⅲ)小規模な溶岩流を多数噴出した、 Ⅳ)噴石丘の形成とともに溶岩湖ができた、Ⅴ)火口壁を越えて小規模な溶岩流が溢出した。 なお、富江火山も新期の福江火山群と同時期に活動した可能性がある。 玄武岩のSiO2量は47.2~52.0 wt.% である。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
過去1万年間の詳細な活動は不明であるが、縄文晩期の遺跡が降下スコリア層の下から出土したことから、最新の活動は2,000~3,000年前と考えられる。
長岡・古山(2004)により、鬼岳の最新の噴出物である鬼岳降下スコリア層直下の土壌の年代測定が行われ、約1万8千年前であることが明らかにされた。 一方、これらを覆う黒土層中に降下スコリアが挟在され、その噴出年代は約2,300-2,400年前と報告した。 給源火口については不詳であるが、福江火山群の内部であろうと推定している。噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の 活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 福江火山群 有史以降の火山活動
記録に残る火山活動はない。
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。 また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。 詳しくはこちらを参照のこと。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報

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