鶴見岳・伽藍岳[つるみだけ・がらんだけ] Tsurumidake and Garandake【常時観測火山】
北緯33°17′12″ 東経131°25′47″ 標高1,375m (鶴見岳)(三角点) 北緯33°19′03″ 東経131°25′39″ 標高1,045m (伽藍岳)(三角点・塚原) |
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鶴見岳・伽藍岳 由布岳より 2013年2月3日 気象庁撮影 右端が鶴見岳、左奥が伽藍岳 | |
鶴見岳・伽藍岳 東側より 2009年5月8日 気象庁撮影 |
概要
別府市の背後、東西にのびる別府地溝内に、南北5kmにわたり溶岩ドーム群が連なり、鶴見岳はその最南端。 火山群の岩石は安山岩~デイサイト。鶴見岳は厚い溶岩流の累積からなる。鶴見岳山頂北側に噴気孔があり、また火山群北端の伽藍岳には強い噴気活動がある。 火山群の東麓の扇状地に別府温泉群があり、特に扇状地南北縁、山地との境界部には多数の沸騰泉・噴気孔等が分布する。構成岩石のSiO2量は56.7~64.9 wt.% である。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
鶴見岳を構成する山体の大半はアカホヤ火山灰(約7300年前)に覆われ、最新の溶岩流である山頂溶岩も、これ以前の噴出物である。 アカホヤ火山灰の堆積以後に、鶴見岳を起源とする火山灰の噴出が起きているが、詳細な年代はわかっていない。
伽藍岳は、約1万500年前より若干古い時代に生成し、伽藍岳-3火山灰を噴出した。 千数百年前には、2~3回の変質物を主体とする火山灰を放出したが、「日本三代実録」に記録されている西暦867年の噴火が、伽藍岳のこの水蒸気噴火にあたる可能性が高い。 伽藍岳の山頂部の径300mの円弧状の火口地形の内側では、1995年に新たな泥火山が生成するなど、現在でも活発な噴気活動が続いている。噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 鶴見岳・伽藍岳 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
火山観測
気象庁では、地震計、空振計、傾斜計、GNSSを設置し、関係機関協力の下、鶴見岳・伽藍岳の火山活動の監視・観測を行っています。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
- 鶴見岳・伽藍岳の噴火警戒レベル(PDF)
火山活動解説資料
- 鶴見岳・伽藍岳の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。
火山防災連絡事務所、火山防災協議会など
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