桜島 [ さくらじま ] Sakurajima【常時観測火山】
北緯31°35′33″ 東経130°39′24″ 標高1,117m (御岳) (標高点) 北緯31°34′38″ 東経130°39′32″ 標高1,060m (南岳) (独自に計測) |
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![]() 桜島 2011年7月10日 気象庁撮影 |
概要
桜島は姶良(あいら)カルデラ(南北17 km、東西23 km)の南縁部に生じた安山岩~デイサイトの成層火山で、北岳、中岳、南岳の3峰と 権現山、鍋山、引ノ平などの側火山からなり、人口が密集する鹿児島市の市街地に近接している。 有史以降の山頂噴火は南岳に限られるが、山腹や付近の海底からも噴火している。 「天平宝字」「文明」「安永」「大正」の噴火はすべて山腹噴火でありプリニー式噴火で始まり、火砕流の発生、多量の溶岩の流出と推移した。 「昭和」噴火も山頂火口そばの斜面で発生し、溶岩を流出した。 1914年(大正3年)の噴火前、桜島は鹿児島湾内の火山島であったが、大正噴火で流出した溶岩により大隅半島と陸続きになった。 現在は東西12.2 km、南北9.5 km、周囲52 kmの不規則な楕円形の小半島となっている。 南岳山頂火口は1955年(昭和30年)10月の爆発以来今日まで長期間にわたって活発な噴火活動を続けており、噴出物(火山ガス・火山灰・火山礫・噴石など)や 爆発時の空振、また、二次災害としての土石流などにより各方面に被害を及ぼしている。 南岳の東山腹8合目に位置する昭和火口は、2006(平成18)年6月に58年ぶりとなる噴火活動を再開し、2008年以降活発な噴火活動が継続している。 南岳山頂火口及び昭和火口から2 km以内は立ち入り禁止となっている。安山岩~デイサイトのSiO2量は56.5~67.2 wt.% である。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
桜島の発達史は古期北岳、新期北岳、南岳の3つのステージに区分できる。 古期北岳の活動(約2万6千年から2万4千年前)の後、休止期間を挟み、新期北岳の活動が1万3千年前から開始し、少なくとも10回の軽石噴火を繰り返し、約5千年前には活動を停止した。 その後、南岳の活動へ移り、歴史時代に4回の軽石噴火が発生した。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 桜島 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
火山観測
気象庁では、地震計、傾斜計、空振計、GNSS、監視カメラを設置し、関係機関協力の下、桜島の火山活動の監視・観測を行っています。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
- 桜島の噴火警戒レベル(PDF)
火山活動解説資料
- 桜島の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。
火山防災連絡事務所、火山防災協議会など

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