南海トラフ地震のページ

南海トラフ地震とは

 三重県の熊野灘沖合の海底には、陸側のユーラシアプレートの下に海側のフィリピン海プレートが沈み込むことによってできた、溝状の地形「南海トラフ」が東西に広くのびています。この南海トラフ沿いではプレートの沈み込みによって、常にひずみが蓄積されていて、概ね100~150年の間隔で 大地震や津波災害が繰り返し発生していることが古文書等の記録からわかっています。

 近年でも昭和東南海地震(1944年)と昭和南海地震(1946年)が発生しています。特に東南海地震では三重県内では震度5~6相当の強い揺れがあったとされ、その5~15分後には三重県南部の沿岸では6~9メートルの津波に見舞われ、多大な被害が発生しました。これらの地震から約80年が経過し、南海トラフ地震の今後30年内の発生確率は70~80%(令和6年5月現在)と切迫性の高い状態です。

 

出典:南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく防災対応のあり方について(報告)(平成29年9月26日公表)

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三重県の地震・津波想定

 三重県は、全市町が南海トラフ地震が発生した場合に著しい地震災害が生ずるおそれのある『南海トラフ地震防災対策推進地域』に指定されています。津市、四日市市、伊勢市、松阪市、鈴鹿市、尾鷲市、鳥羽市、熊野市、志摩市、川越町、明和町、大紀町、南伊勢町、紀北町、御浜町、紀宝町の16市町が、特に著しい津波災害が生ずるおそれがある『南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域』に指定されています。想定される最大規模の南海トラフ地震(M9.1)が発生した場合、県内では伊勢志摩の沿岸部を中心として震度7が、 県内での最大の津波の高さは鳥羽市で27mが想定されています。また、県内で最も早く津波が到達するのは尾鷲市と熊野市で、地震発生から4分後に1mの高さの津波(←最大の高さではないことに注意)が到達すると想定されています。

南海トラフ巨大地震の震度分布(強震動生成域を陸側寄りに設定した場合)

三重県付近を拡大

三重県で想定されている南海トラフ巨大地震の津波

(最大の津波の高さ、1mの津波が到達するまでの時間)

南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ(南海トラフの巨大地震に関する津波高、浸水域、被害想定の公表について;平成24年8月29日公表)をもとに作成

津波断層モデルのすべり量の設定

【ケース①「駿河湾~紀伊半島沖」に「大すべり域+超大すべり」域を設定】

南海トラフ巨大地震の震度分布(強震動生成域を陸側寄りに設定した場合)広域

南海トラフ巨大地震の津波高 広域

「駿河湾~愛知県東部沖」と「三重県南部沖~徳島県沖」に

「大すべり域+超大すべり域」を2箇所設定した場合

海岸への津波の到達時間(津波高1m)

出典:南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ(最終報告)、平成25年5月28日公表、中央防災会議 防災対策推進検討会議 南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ

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南海トラフ地震臨時情報

 南海トラフ地震の想定震源域内やその周辺で大規模地震(M6.8以上)やプレート境界面で通常とは異なるゆっくりすべり等が観測された場合には、気象庁は南海トラフ地震臨時情報(調査中)を発表し、南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」を開催して発生現象に対する検討を行います。想定震源域のプレート境界でモーメントマグニチュード8.0以上の地震が発生したと評価した場合は、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)を発表し、後発地震にも備えます。また、想定震源域やその周辺でモーメントマグニチュード7.0以上8.0未満の地震が発生したと評価した場合や、想定震源域のプレート境界で通常と異なるゆっくりとしたすべりが発生したと評価した場合は、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表します。なお、「巨大地震警戒」「巨大地震注意」のいずれにもあてはまる現象でないと評価した場合には、巨大地震の発生可能性がただちに高まっている状態ではないとして、南海トラフ地震臨時情報(調査終了)を発表します。

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