東京管区気象台長からのご挨拶

当台は、管内の関東甲信(1都8県)、北陸(4県)、東海(4県)の1都16県を管轄しています。管内各県には地方気象台があり、気象・地震・津波・火山などの観測・予報やさまざま情報発表等の業務を行っています。また、羽田、成田、中部の各国際空港には航空地方気象台があり、航空機向けの観測や気象情報の提供を通じて航空機の安全運航を支えています。
この広大な管内では、多様な気候特性が見られ、地域ごとの風土に深みを与える一方、毎年のように大雨、大雪、暴風等による災害をもたらします。令和6年1月1日に発生した令和6年能登半島地震による被害は記憶に新しいところですが、南海トラフ地震や首都直下地震といった次なる巨大地震への備えも重要であり、また富士山や浅間山をはじめ多くの活火山を抱え、これらの噴火への備えもまた重要です。
私たちはこれらの自然災害から自住民の皆様を守るため、日々管内の気象台と連携して適時・的確な防災気象情報の発表に努めています。特に、自治体の防災対応の支援として、平時からのコミュニケーションを通じて信頼関係の構築に努め、緊急時には都県や市区町村に出向いて直接解説を行い、事後には協力して対応に係る検証を行って改善につなげています。地域住民に対する普及啓発にも積極的に取り組んでおり、地域の防災力向上に向けた様々な取り組みを強化しています。また、地球温暖化などの気候変動への対応や気象情報の利活用促進の取り組みも進めています。
東京管区気象台は、来年(令和8年)で創立80周年の節目の年を迎えます。今後もこれらの取組を通じ、自然災害からの防災・減災、地域の皆様の安心・安全の確保に努めてまいります。このホームページをご覧いただき、私たち東京管区気象台や気象業務への関心を深めていただく良い機会となれば幸いです。
令和7年4月1日 東京管区気象台長 水野 孝則