2007年 No.3 火山の概況 (平成19年1月12日 〜 平成19年1月18日)

【噴火した火山】

諏訪之瀬島 [活発な状況(レベル3)
12日に小規模な噴火が発生した。

【活発もしくはやや活発な状況の火山】

十勝岳 [やや活発な状況]
62-2火口の熱活動はやや活発な状態が続いている。
樽前山 [やや活発な状況]
A火口及びB噴気孔群では高温状態が続いていると推定される。
御嶽山 [やや活発な状況]←19日(期間外)に静穏な状況から引き上げ
火山性地震はやや多く、火山活動がやや活発な状況となっている。
三宅島 [やや活発な状況]
噴煙活動は活発で、多量の火山ガスの放出が続いている。
硫黄島 [やや活発な状況]
大きな隆起や地震活動のやや活発な状態が続いている。
桜島 [比較的静穏な噴火活動(レベル2)
火山性地震及び火山性微動のやや多い状態が続いている。
薩摩硫黄島 [やや活発な状況(レベル2)
噴煙活動はやや活発で、火山性地震のやや多い状態が続いている。
口永良部島 [やや活発な状況(レベル2)
火山性地震及び火山性微動のやや多い状態が続いている。


図1  各火山の今期間の火山活動度レベル及び記事を掲載した火山
図1  活動解説を掲載した各火山の今期間の活動状況


注1 本資料で示すレベルは、火山活動度レベルを導入した火山におけるレベルを言う。

注2 記号の意味
 ▲:噴火した火山
 ●:活動が活発もしくはやや活発な状況の火山
 ◇:静穏な状態であるが観測データ等に変化のあった火山、もしくはその他記事を掲載した火山
 ①②等の丸付き数字:火山活動度レベル



【各火山の活動解説】

 各記号の意味は次のとおり。▲:噴火が観測された火山。●:活動が活発もしくはやや活発な状態である火山。◇:静穏な状態であるが観測データ等に変化があった火山、もしくはその他の記事を掲載した火山。


● 十勝岳  [やや活発な状況]

 62-2火口では、昨年(2006年)1月以降、噴煙活動及び火口温度に低下傾向がみられるものの、依然として熱活動はやや活発な状態が続いている。なお、今期間の噴煙の状況は悪天のため確認できなかった。
 火山性地震は少ない状態が続いている。火山性微動は観測されず、地殻変動に特段の変化はなかった。


● 樽前山  [やや活発な状況]

 A火口及びB噴気孔群では依然として高温の状態が続いていると推定される。
 噴煙活動・地震活動は低調な状態が続いている。地殻変動に特段の変化はなかった。


● 御嶽山  [やや活発な状況]←19日(期間外)に静穏な状況から引き上げ

 昨年(2006年)12月下旬以降、増減を繰り返しながらやや多い状態が続いていた火山性地震は、16日から17日にかけてさらに増加し、19日(期間外)には振幅のごく小さな火山性微動も観測された。
 御嶽山では火山活動がやや活発な状況となっており、山頂付近では注意が必要である。


● 三宅島  [やや活発な状況]

 噴煙活動は活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上100〜200mで推移した。
 12日に行った火山ガス観測では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり1,900〜2,900t(前回12月11日、1日あたり1,500〜2,600t)と、依然として多量の火山ガスの放出が続いている。
 火山性地震はやや多い状態が続いている。火山性微動は観測されず、地殻変動に特段の変化はなかった。


● 硫黄島 [やや活発な状況]

 国土地理院及び防災科学技術研究所の観測によると、昨年(2006年)8月頃始まった島北部の元山もとやま地域付近での大きな隆起の地殻変動は、1月に入りやや鈍化しながら今期間も継続している。消長を繰り返しながらやや活発な状態となっていた島内の地震活動も、1月はやや低下する傾向がみられている。
 従来から小規模な水蒸気爆発が繰り返されてきた島北部の元山地域を取り囲む円周上の領域(東部や北部の海岸部から阿蘇台陥没孔あそだいかんぼつこうから千鳥ヶ原ちどりがはらにかけて)では、今後も注意が必要である。



● 桜島  [比較的静穏な噴火活動(レベル2)]

 南岳山頂火口及び昭和火口からの噴火は発生しなかった。
 火山性地震及び火山性微動はやや多い状態が続いている。地殻変動に特段の変化はなかった。



● 薩摩硫黄島  [やや活発な状況 (レベル2)]

 硫黄岳山頂火口の噴煙活動はやや活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上概ね200mで推移した。
 火山性地震はやや多い状態が続いている。火山性微動が時々観測された。


● 口永良部島  [やや活発な状況 (レベル2)]

 火山性地震及び火山性微動は消長を繰り返しながらやや多い状態が続いている。
 遠望カメラ(新岳しんだけ火口の北西約3kmに設置)による観測では新岳火口周辺の噴気等は観測されず、地殻変動に特段の変化はなかった。


▲ 諏訪之瀬島  [活発な状況 (レベル3)

十島村としまむら役場諏訪之瀬島出張所によると12日に小規模な噴火が発生した。火山性地震及び火山性微動は少ない状態で経過した。




表1 最近1か月に記事を掲載した火山及び各火山のレベル

表1 最近1か月に記事を掲載した火山及び各火山のレベル

表2 火山情報発表状況
火 山 名 情報の種類及び号数 発表日時 概 要
三 宅 島 火山観測情報第2号
1月12日
16:30
最近の火山活動評価。1月4日〜1月12日16時の活動状況。


このページのトップへ