伊豆東部火山群[いずとうぶかざんぐん] Izu-Tobu Volcanoes【常時観測火山】
北緯 34°54′11″ 東経 139°05′41″ 標高 580m (大室山)(三角点) 北緯 34°59′37″ 東経 139°07′48″ 水深-118m (手石海丘(火口最深部)) |
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手石海丘の噴火 南西側海上から 1989年7月13日 海上保安庁撮影 大室山 伊東大崎から(中央は大室山) 2004年3月3日 気象庁撮影 |
概要
伊豆半島東部地域に密集する玄武岩~流紋岩質の多数のスコリア丘・タフリング・マール・溶岩ドームなどの小火山体と、それにともなう溶岩流・降下火砕物・火砕流・火砕サージ・ラハール堆積物(東伊豆単成火山群)、ならびにこれらの東方海域に密集する多数の海底火山(東伊豆沖海底火山群)の総称である。陸上部分については玄武岩~安山岩質火山のうち最大のものは大室山、デイサイト~流紋岩質火山のうち最大のものはカワゴ平である。海底火山群については火山数、岩石の種類、活動年代等不明なことが多い。火山群は、この地域の広域応力場を反映して、北西~南東へ並ぶ配列がいくつも重なっている。玄武岩~流紋岩のSiO2量は48.3~73.0 wt.% である。
この地域では、1930年に群発地震が発生して以降、しばらく活動を休止していたが、1970年代後半頃より群発地震活動が再開し、1989年7月には、群発地震とともに伊東市沖の手石(ていし)海丘で有史以来、初めての噴火があった。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
大室山が約4000年前の噴火で形成された。その後約3200年前には、この地域ではじめての流紋岩質マグマがカワゴ平から噴出し、北方へ火砕流を流すと同時に軽石・火山灰を西方に降らせた。約2700年前には岩ノ山-伊雄山(いおやま)火山列で割れ目噴火が生じたが、この後1989年7月13日に伊東沖で海底噴火が起こるまでこの地域での噴火はなかったと考えられている。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 伊豆東部火山群 有史以降の火山活動
- 伊豆東部火山群 群発地震活動一覧表
- 伊豆東部の地震活動の特徴
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくは有史以降の火山活動についてを参照のこと。
火山観測
気象庁では、地震計、傾斜計、空振計、GNSS、体積ひずみ計、監視カメラを設置し、関係機関の協力の下、伊豆東部火山群の火山活動の監視・観測を行っています。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
- 伊豆東部火山群の噴火警戒レベル(PDF)
火山活動解説資料
- 伊豆東部火山群の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。