栗駒山 有史以降の火山活動

有史以降の火山活動(▲は噴火年を示す)

年代 現象 活動経過・被害状況等
▲1744(寛保3)年 噴火 2月3日磐井川が俄かに渇水、山鳴りし、大木を含むラハールが流下した。その後噴煙が観測され、時々山鳴り。
▲1944(昭和19)年 小規模:水蒸気噴火 火砕物降下。噴火場所は昭和湖。
11月20日。泥土を噴出し、磐井川が濁り、魚類多数被害。噴火地点は最高峰大日岳の北西斜面海抜1280mで、泥土を飛散させ凹地を形成、その後水をたたえて「昭和湖」といわれている。(VEI1)
1946(昭和21)年 温泉異常 6月。須川温泉・磐井川で温泉水の酸性強まる。
1950(昭和25)年 鳴動 1月18日。噴火口付近で鳴動。時々地鳴り。
1957(昭和32)年 鳴動、地震・温泉異常 8月11~15日。鳴動、地震群発(64回)。秋の宮温泉では温泉水が一時白濁した。
1985(昭和60)年 地震 3~4月。南西約10kmの山麓で地震群発(最大M5.3)。
1986~87(昭和61~62)年 地震 1986年6月~1987年12月。北東山麓で地震群発(最大M5.0)。
1992(平成4)年 噴気 ゼッタ沢源頭部で噴気温度上昇・噴気域拡大。
1994~95(平成6~7)年 地震 10月~翌年4月、北、南東、北東山麓で地震活動がやや活発化(最大地震M2.2)。
1996(平成8)年 地震 4~5月。南山麓で群発地震(最大地震M3.3) 。
1999(平成11)年 地震 1月。東山腹で群発地震(最大地震M4.0) 。
4~5月。北東山麓で地震活動(最大地震M4.3)。
2008(平成20)年 地震 6月14日。北東約10kmの岩手県内陸南部の深さ8kmでM7.2(最大震度6強)の「平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震」が発生。
山麓では栗原市荒砥沢ダム周辺の大規模地すべりや駒の湯が土石流に埋まるなどの被害。余震域は北北東-南南西約45kmに広がる。栗駒山も余震域に含まれるが、地震活動に特段の変化はみられなかった。

日本活火山総覧(第4版)(気象庁編,2013)による。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考に、文献の追記を行った。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付加している。詳しくはこちらを参照のこと。



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