北海道駒ヶ岳(ほっかいどうこまがたけ) Hokkaido-Komagatake【常時観測火山】
北緯42°03′48″ 東経140°40′38″ 標高1,131m (剣ヶ峯)(標高点) |
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![]() 北海道駒ヶ岳全景 南側から 2010 年 6 月 22 日 稲葉千秋撮影 |
概要
北海道駒ヶ岳火山は、10万年前より以前に活動を開始した安山岩質(SiO2量は58.1~61.2 wt.%)の成層火山である。 約4万年前までに溶岩や火砕物を噴出し、円錐形の成層火山を形成した。その後、3回の噴火活動期が認められ、複数回の山体崩壊と爆発的噴火を繰り返している。 現山頂部には西の剣ヶ峯、北の砂原岳、南の馬の背・隅田盛で囲まれた直径約2kmの火口原がある。この火口原内には、数個の小火口があり、1942年噴火では、昭和4年火口を通って長さ約1.6㎞の割れ目を生じた。1996年の噴火では昭和4年火口の南側に長さ約200mの火口列を生じた。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
北海道駒ヶ岳は6000年あまりの休止期をおいて、約6800年前に活動を再開した。約6800~6300年前の約500年間の間に4回の爆発的噴火を起こしている。約6800年前の噴火では、降下火砕物と火砕流(Ko-g)が噴出し、約6500~6300年前の噴火では2回の火砕流(P1とP2)が噴出した。6300年前の噴火では、降下火砕物と火砕流(Ko-f)が噴出した。その後、6000年あまりの長い休止期の後、江戸時代になって火山活動が再開した。1640年の噴火では山体崩壊の後、大規模なプリニー式噴火を起こした。その後、規模は小さくなるが1929年まで3回のプリニー式噴火を起こした。そして、さらに規模を縮小させながら2000年まで水蒸気噴火が頻発しており、そのうち1942年ではマグマ水蒸気噴火が起こった。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の 活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 北海道駒ヶ岳 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版) (気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量 (単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が 既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数) も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
火山観測
気象庁では、地震計、傾斜計、空振計、GNSS、監視カメラを設置し、関係機関協力の下、 北海道駒ヶ岳の火山活動の監視・観測を行っています。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
- 北海道駒ヶ岳の噴火警戒レベル(PDF)
火山活動解説資料
- 北海道駒ヶ岳の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。