恵庭岳(えにわだけ) Eniwadake
北緯42°47′36″ 東経141°17′07″ 標高1,320m (恵庭岳)(三角点) |
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![]() 恵庭岳全景 北西側上空から 2011 年 7 月 19 日 気象庁撮影 |
概要
支笏カルデラの北西壁内側に生じた安山岩(SiO2量56.0~65.0 wt.%)の後カルデラ火山。直径約5km、比高1.1km。大規模な軽石噴火(最大のものは約2万年前)と安山岩の溶岩流出によって山体が形成された(中川・他1994b)。山頂東側の爆裂火口で噴気が認められる。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
約2万年前の大規模な軽石噴火以降、山頂付近や山体の東麓や西麓において、溶岩ドームの形成や溶岩の流出が続いた。恵庭火山における最後のマグマ噴火は約2000年前である。
約1700年間の休止期の後、17世紀はじめに山頂部で水蒸気噴火が発生し、山頂東部が崩壊して爆裂火口を形成した。崩壊物は岩屑なだれとなって山体を流下し、支笏湖に流入した。その後、約150年の間に少なくとも2回の水蒸気噴火があり、それに伴う土石流が発生している。
- 恵庭岳 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版) (気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量 (単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が 既知である場合については、(国研)産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数) も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
火山活動解説資料
- 恵庭岳の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。