津波の基礎知識
も く じ
◆津波とは
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海底で発生した地震によって海底面で上下変化が起こり、これが海底から海面までの海水全体を動かし、海面も上下に変化します。
津波は、このようにもたらされた海水の変化が周りに波として広がっていく現象のことです。

図:津波発生のしくみ
◆津波の前は必ず潮が引く?
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「津波の前には必ず潮が引く」という言い伝えがありますが、必ずしもそうではありません。地震を発生させた地下の断層の傾きや方向によってや、
津波が発生した場所と海岸との位置関係によっては、潮が引くことなく最初に大きな波が海岸に押し寄せる場合もあります。
◆津波の伝わる速さと高さ
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津波は、海が深いほど速く伝わる性質があり、沖合いではジェット機に匹敵する速さで伝わります。 逆に、水深が浅くなるほど速度が遅くなるため、
津波が陸地に近づくにつれ、減速した波の前方部に後方部が追いつくことで、波高が高くなります。
※水深が浅いところで遅くなるといっても、人が走って逃げ切れるものではありません
津波から命を守るためには、津波が海岸にやってくるのを見てから避難を始めたのでは間に合いません!海岸付近で地震の揺れを感じたら、または、
津波警報や
大津波警報が発表されたら、実際に津波が見えなくても、速やかに避難しましょう。

図:津波の伝わる速さと高さ
◆「波浪」と「津波」の違い
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波浪:海域で吹いている風によって生じる海面付近での現象
波長(波の山から山、または谷から谷の長さ)は数メートル~数百メートル程度
津波:海底から海面までの海水全体が短時間に変動し、それが周囲に波として広がって行く現象
波長は数キロから数百キロメートル(非常に長い)
◆大津波警報・津波警報・津波注意報
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気象庁では、地震が発生してから約3分(日本近海で発生し、緊急地震速報の技術によって精度の良い震源位置やマグニチュードが迅速に求められる地震については2分)を目標に、大津波警報、津波警報または津波注意報を、
津波予報区単位で発表します。
予想される津波の高さは、通常は5段階の数値で発表しますが、地震の規模(マグニチュード)が8を超えるような巨大地震に対しては、 精度のよい地震の規模をすぐに求めることができないため、その海域における最大の津波想定等をもとに津波警報等を発表します。
その場合、最初に発表する大津波警報や津波警報では、予想される津波の高さを「巨大」や「高い」という言葉で発表して、非常事態であることを伝えます。


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こちらをご覧ください! → 気象庁HP:
津波警報・注意報、津波情報、津波予報についてJMA
◆津波フラッグ
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津波フラッグは、大津波警報・津波警報・津波注意報が発表されたことを、視覚的にお知らせするものです。
津波フラッグを用いることで、聴覚に障害をお持ちの方や、波音や風で音が聞き取りにくい遊泳中の方などにも津波警報等の発表をお知らせできます。
海水浴場や海岸付近で津波フラッグを見かけたら、速やかに避難を開始してください。

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詳しくは・・・
気象庁HP「津波フラッグ」JMA
小冊子「津波フラッグをおぼえよう!!」(PDF形式)JMA
