プレート境界の地震
南海トラフ沿いで発生する地震
南海トラフとは、駿河湾から日向灘沖にかけての海底の溝状の地形を指します。フィリピン海プレート(海のプレート)がユーラシアプレート(陸のプレート)の下に潜り込んでいるために形成されました。 また、南海トラフ沿いで発生する、ユーラシアプレートが引きずり込みに耐えられなくなり跳ね上がることで発生する地震のことを、「南海トラフ地震」と呼んでいます。 過去1400年間を見ると、南海トラフでは約100~150年の間隔で蓄積されたひずみを解放する大地震が発生しており、近年では、昭和東南海地震(1944年)、昭和南海地震(1946年)がこれに当たります。 1946年の昭和南海地震(M8.0)では、島根県内で、死者9人、負傷者 16人、住家全壊 71棟、住家半壊161棟、道路・橋梁・堤防の損壊の被害がありました。 (参考:宇佐美龍夫・石井 寿・今村隆正・武村雅之・松浦律子:日本被害地震総覧599-2012) 昭和東南海地震及び昭和南海地震が起きてから70年以上が経過しており、南海トラフにおける次の大地震発生の可能性が高まってきています。
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○将来の地震発生の可能性(長期評価) 地震調査研究推進本部の南海トラフで発生する地震より
地震の規模:M8〜M9クラス
地震発生確率:30年以内に、70%〜80% (算定基準日:2022年1月1日)
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上記のように、今後30年以内に発生する確率は、70~80%とされており、大規模地震発生の切迫性が指摘されています。
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○南海トラフ地震臨時情報について
「南海トラフ地震に関連する情報」は、南海トラフ全域を対象に地震発生の可能性の高まりについてお知らせするものです。
南海トラフ沿いで異常な現象が観測され、その現象が南海トラフ沿いの大規模な地震と関連するかどうか調査を開始した場合、その調査結果を発表する場合に「南海トラフ地震臨時情報」が発表されます。
その際、情報名の後にキーワードを付記して「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」などの形で情報発表します。
「南海トラフ地震臨時情報」が発表された際には、お住いの市町村からの指示により事前避難等の対応を行う必要があります。
日向灘で発生する地震
日向灘ではM7.6前後の規模の地震のほか、それよりひとまわり小さいM7.0~7.2程度の規模の地震が発生することが知られています。日向灘周辺で発生する M7以上の地震の多くは、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生するプレート間の地震です。この地域では、このようなM7程度の地震が十数年から数十 年に一度の割合で発生しています。また、1662年に発生した地震は津波が大きかったことが指摘されており、M8程度の 巨大地震が発生する可能性はあるものの、将来の 地震発生確率は不明とされています。 日向灘周辺で発生する地震では、周辺の沿岸各地に地震の揺れによる被害のほか、震源域が浅い場合には、太平洋側を中心に津波被害が生じることがあります。
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○将来の地震発生の可能性(長期評価) 地震調査研究推進本部の日向灘より
<日向灘の巨大地震>
地震の規模:M8程度
地震発生確率:不明 (算定基準日: 2022年3月25日)
<日向灘の一回り小さい地震>
地震の規模:M7~7.5程度
地震発生確率:30年以内に、80%程度 (算定基準日:2022年3月25日)
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※上記2つの長期評価について詳しい内容を知りたい方は、地震調査研究推進本部の
南海トラフの地震活動の長期評価(第二版)について(PDF)・
日向灘及び南西諸島海溝周辺の地震活動の長期評価(第二版)(PDF)をご覧ください。
