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表層水温の長期変化傾向(全球平均)

平成30年 2月15日発表 (次回発表予定 平成31年 2月15日)

気象庁地球環境・海洋部

診断

  • 全球で平均した海洋の表層水温は、長期的に10年あたり0.024℃(統計期間は1950年から2017年)の割合で上昇しています。
表層水温平年差の推移
表層水温平年差の推移

海面から700m深まで平均した表層水温平年差。 年平均平年差を実線、解析値の95%信頼区間を陰影で示します。
平年値は1981年から2010年の30年平均値です。 上昇率の±は95%の信頼区間を表します。

掲載しているデータは、解析に使用する観測データの追加などにより過去にさかのぼって修正する場合があります。

解説

海洋表層が蓄積した熱量(貯熱量)の変動の指標として、海面から700m深までの表層水温平年差の推移を図に示します。世界全体で平均した表層水温は年ごとに上昇下降を繰り返しつつも1950年以降長期的に上昇傾向にあり、1950年から2017年の間に10年あたり0.024±0.003℃(±は95%の信頼区間)の割合で上昇していました。近年では1990年代中ごろから2000年代初めにかけて顕著に上昇し、2000年代中ごろからは傾きが緩やかになったものの引き続き上昇傾向にあります。
このように、海面水温(「海面水温の長期変化傾向(全球平均)」)と同様に表層水温も上昇しており、海洋が長期的に熱を蓄積していることがわかります。2001年から2017年の表層水温の上昇率から計算したエネルギーの増加率は、地球に入ってくる単位面積当たりのエネルギーに換算して0.27W/m2でした。IPCC(2013)によると、Loeb et al.(2012)は、2001年から2010年までの人工衛星などによる観測から、大気の上端では地球に入ってくるエネルギーが出て行くエネルギーよりも平均で0.5W/m2大きかったとしています。つまり、増加したエネルギーの約50%が海洋表層に蓄えられていたということになります。
1950年から2017年の間に、海面水温は10年あたり0.079℃の割合で上昇しており、上昇率は海洋内部のほうが小さくなっています。これは海洋内部の水温上昇が海面での加熱によることを示唆しています。
IPCC(2013)は、1970年代以降の海洋の表層水温上昇に、人間活動による寄与が相当あった可能性が非常に高いとしています。すなわち、図に示された1950年以降の平均表層水温の上昇は地球温暖化の現れであると考えられます。
海洋の表層水温が上昇すると、海水が熱膨張して海面水位が上昇するほか、海洋生物が生息する環境の変化による生態系への影響などが懸念されます。

参考文献

  • Loeb, N. G., J. M. Lyman, G. C. Johnson, R. P. Allan, D. R. Doelling, T. Wong, B. J. Soden and G. L. Stephens (2012), Observed changes in top-of-the-atmosphere radiation and upper-ocean heating consistent within uncertainty, Nature Geosci., 5, 110-113.
  • IPCC (2013), Climate Change 2013: The Physical Science Basis. Contribution of Working Group I to the Fifth Assessment Report of the Intergovernmental Panel on Climate Change [Stocker, T.F., D. Qin, G.-K. Plattner, M. Tignor, S.K. Allen, J. Boschung, A. Nauels, Y. Xia, V. Bex and P.M. Midgley (eds.)]. Cambridge University Press, Cambridge, United Kingdom and New York, NY, USA, 1535 pp.

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