海洋気象観測船による観測(令和7年5月2日~5月3日)

令和7年5月9日 気象庁発表

観測結果

気象庁の海洋気象観測船「啓風丸」は、5月2日~5月3日に図1の航路に沿って黒潮の観測を実施しました。

図1の黒い矢印は、観測船が観測した海流の速さと向きを表しています。黒潮は、潮岬沖で北東向き、東海沖でおおむね東向きに流れています。黒潮の強い流れは、B点(北緯32.4度、東経135.6度、2.8ノット)およびD点(北緯33.2度、東経137.7度、3.1ノット)で観測されました。

図2は、航路上のA点からC点、およびC点からE点を結ぶ観測ラインに沿った海洋内部の水温を示します。強い流れが観測されたB点(北緯32.4度)およびD点(北緯33.2度)を中心として、水深400m付近では水温の水平勾配が大きくなっています。

航路上のC点付近では、北西向きの流れが観測されており(図1)、黒潮大蛇行から切離した冷水渦(図3)の北端を捉えたものであると考えられます。

海流

図1 海洋気象観測船「啓風丸」が観測した海流(令和7年5月2日~5月3日)

赤い細実線は啓風丸の航路を、黒い矢印は海流の速さと向きを表します。
青い太破線は気象庁の数値モデル等による解析結果をもとにした5月3日頃の黒潮および黒潮から切離した冷水渦の位置を示します。

水温

図2 水温の深さ方向の分布(左:図1のA点~C点の観測ライン 右:図1のC点~E点の観測ライン)

啓風丸による令和7年5月2~3日の観測結果を示します。
図中のA~Eの記号は、図1に対応します。

水温

図3 黒潮域の深さ400mの水温分布図(令和7年5月3日)

日別表層水温(海洋の健康診断表)による水温分布図に加筆
https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/data/db/kaikyo/daily/t100_HQ.html
図中の黒線は図2で示した分布図の位置を示します。図中の記号は図1に対応します。

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