海面水温・海流(北海道周辺海域)

令和4年8月31日 札幌管区気象台発表

診断(2022年8月下旬)

  • オホーツク海、太平洋では、海面水温が平年より高い海域がみられます。
  • 日本海では、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。
  • 親潮の南限位置は、東経148度以東に後退しています。
  • 親潮の面積は、平年よりかなり小さくなっています。
  • 北海道南東方の北緯41.5度、東経147.5度付近に暖水渦がみられます。
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(8月30日) 北海道周辺海域の深さ100mの水温分布図(8月30日)
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(左図)と深さ100mの水温分布図(右図)(8月30日)

左図は海面水温の平年値(1991~2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。 右図は深さ100mの水温分布を示しています。 各図は、図の右にあるスケールと同じ色で色分けされています。

これらの図は速報値で作成しています。北海道周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

オホーツク海、太平洋では、海面水温が平年より高い海域がみられます。オホーツク海の東経145度以東や千島近海では、暖かく湿った空気の影響に加え、オホーツク海で平年より日射量が多かった影響もあり、海面水温が平年より低い海域が縮小しました。太平洋の東経145度以東では、下層の暖水の影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられます。

日本海では、寒気の影響に加え、平年より風が強かった日もあったため、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、北海道周辺の海面水温は、日本海では、平年より高くなるでしょう。オホーツク海と太平洋では、平年より高いか、かなり高いでしょう。

海流の実況と見通し

2022年8月下旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 東経148度以東に後退(北緯41.5度、東経149.5度付近) 東経148度以東に後退
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 なし なし
親潮の面積(※2 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
日本の東のその他の顕著な現象 北海道南東方の北緯41.5度、東経147.5度付近に暖水渦がみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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