海面水温・海流(北海道周辺海域)

令和2年12月28日 札幌管区気象台発表

診断(2020年12月下旬)

  • 北海道周辺の海面水温は、平年より高い海域が縮小し、太平洋では平年よりかなり高い海域はみられなくなりました。
  • 親潮の南限位置は、東経148度以東に後退しています。
  • 親潮の面積は、平年よりかなり小さくなっています。
  • 津軽暖流の東端は、平年並になりました。
  • 北海道東方の北緯41.5度、東経148度付近に暖水渦がみられます。
  • 親潮系冷水が、北緯42度、東経144.5度付近と北緯40.5度、東経146度付近にみられます。

北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(12月27日)
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(12月27日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。北海道周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

北海道周辺の海面水温は、寒気や平年より風が強かった影響で、平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。

太平洋では海面水温が平年よりかなり高い海域はみられなくなり、東経148度以東では下層の冷水の影響もあり平年よりかなり低い海域がみられるようになりました。留萌沖では海面水温が平年より低い海域がみられるようになりました。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、北海道周辺の海面水温は、日高沖、釧路沖では平年より高いか、かなり高く、東経148度以東では平年より低いでしょう。日本海では平年並か平年より低く、オホーツク海では平年並の見込みです。

海流の実況と見通し

2020年12月下旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 東経148度以東に後退(北緯41度、東経149.5度付近) 北緯42度、東経143.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯42度、東経144.5度付近、北緯40.5度、東経146度付近
親潮の面積(※2 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※3 東経143.5度付近(平年並)
日本の東のその他の顕著な現象 北海道東方の北緯41.5度、東経148度付近に暖水渦がみられる
日本海の海流 顕著な流れはみられない

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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